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「オトネたちの勝ちですますね！」
オトネも笑う。
「はぁ、キスされるのかぁ」
セロが残念そうにため息をついた。
「こんな美少女にキスしてもらえるのだから喜んでもいいんですますよ？」
オトネが笑う。
「甘いねぇ」
男が、一瞬でその場から移動しセロの背後に周り蹴りを入れた。
しかし、セロはダメージを受けない。
「うん、それくらいの攻撃なら僕には効かないよ？」
セロは、そう言って指先をネジに変えキリキリと回す。
「そうかい？」
男は、今度はセロの前に瞬間移動した。
そして、顔に攻撃。
「効かないって……」
セロが苦笑い。
「ああん？
なんでだ？」
「それが僕の能力さ……
螺子のメロディを聴いているからね」
セロの言葉とともに男はオトネの背後に回る。
「だったら嬢ちゃんを――」
男はオトネの背後に回る。
そのとき百道が男の頭を上から掌底を浴びせた。
「五撃目！」
「が……？」
百道は、小さく笑う。
「俺の勝ちだ」
男は、動かなくなる。
意識を失ったようだ。
「不意打ちとかヒーローにすることじゃないですますね」
オトネがそういうと百道は言った。
「勝ちは勝ちだ。
俺も不良だからな。
正々堂々だなんて性に合わない」
「はは」
セロは小さく笑う。
「何なんだお前らは……？」
健太がそう言うとセロが言った。
「傭兵だよ」
「傭兵？」
「……ああ、この料金はきっちし払ってもらうよ？」
セロがそう言って笑った。
「ヒーローなんだろう？」
「いや、違うね」
セロが、そう言って言葉を続ける。
「ヒーローの敵さ……
でも、アインでもツヴァインでもない」
「じゃ、なんなんだ？」
健太がそう言うとセロは言った。
「そうだね。
ひとことでいうなら、アンチ・ヒーローさ」
「アンチ・ヒーロー？」
百道が尋ねる。
「うん。
正義の味方だけどヒーローじゃない。
ヒーローが大嫌いな少年Aと――」
「美少女Bですます」
セロの言葉に続いてオトネが言った。
「……美少女？」
セロが笑う。
「……なんでますか？」
オトネが頬を膨らませる。
「いや、なんでもない」
セロが、小さくうなずいた。
