12
昼休みが終わると僕はすぐに睡眠体制に入った。
勉強なんて、瞳のノートを後から借りたらある程度のことはわかる。
『私が居ないと、何にも出来ないじゃん』
朝、瞳に言われた言葉が頭の中に浮かんだ。
たまには、授業を受けてみるか……
僕は、体を起こすと勉強をする姿勢に入った。
――放課後
帰り支度をしている水谷さんに声をかけてみる。
「水谷さんって、クラブとか入るの?」
水谷さんは、首を横に振った。
「そっか……」
水谷さんは、コクリとうなずいた。
「結城さんは、クラブに入っているのですか?」
「音楽部かな……」
「少し意外です」
「そう?」
「はい」
「帰宅部っぽい感じがします」
「似たようなモノだけどね」
「え?」
「音楽部が、できた時は部員はそこそこいたんだけど、最近は部員が顔を出すこと自体滅多にないんだ」
「そうなんですか?」
「うん」
「この辺にはまだ慣れていないでしょ?
一緒に帰らない?」
水谷さんは、コクリとうなずいた。
こうやって会話が出来るのだから、担任が言っていた『色々』と言うのは、イジメが原因では無さそうだね。
色々ってなんだろう?
気になるけど聞かないことにした。
僕たちは、そのまま雑談をしながら朝にぶつかった十字路まで歩いた。
「この辺でいいです」
「そう?」
「はい……
ありがとうございます」
「いえいえ」
僕たちは、そこで別れた。