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06

 ――6年後

「ホント、お前なにをヤッてもクズだな?」

 そういってボクの主であるサカキがそういって水の入ったコップをぶっかける。

「……ごめんなさい」

 ボクは謝るしかできなかった。
 ボクは、咎人の印と奴隷の印がある。
 どうあがいても消えない印。

 咎人の印は、この世界の神がつけた印であり呪いの様なものだ。
 奴隷の印は、首に人間につけられた焼き印で主に逆らうとそれが締まり首が締められる。

「はぁーあー
 もういいよ、お前は向こうに行っていろ」

 サカキが、そういうとボクは逃げるように去った。

「ホント使えないホント使えない。
 考えるだけでイラつく」

 サカキが、そういってため息をつく。

「ならサーカスにでも売りますか?」

 老人がそういってサカキにいう。

「あんなヤツ、サーカスにいってもなにも出来ないぞ?」

 サカキがそういうと老人が小さく笑う。

「いえ、餌にするんですよ。
 最近生きた人間をモンスターの餌にするショーが流行っているんですよ?
 使い古した女をオークの慰めモノにするショーも流行ってますが、ボクの場合は男なので餌にするのがいいでしょう」

「フィサフィー、お前も残酷だな。
 そんな見世物にして何の特になるんだか」

 サカキは、小さくため息をつく。

「では、お尋ねしますがサカキさまは、ボクをおいくらで買いましたか?」

「んー、確か100シルバーくらいだな。
 1ゴールドにも満たなかったはず」

「そうでしょうそうでしょう。
 咎人という存在は高くは売れません。
 不思議な力を持っているのがほとんどですからね。
 その不思議な力を封印しているのがあの印です。
 ですが、ボクはこれまで不思議な力を使ったことがありますか?」

「ないな」

「そう、つまりボクの咎は神の間違いだったのです」

「そうか……」

「ちなみにショーに出すのなら少なくても1000ゴールドは貰えますね」

「そっか……
 でも、食われるのはかわいそうだな」

 サカキは少しだけの良心があった。
 しかし、老人は引かない。

「そうですか。
 お優しいのですね。
 では、この私フィサフィーに1000ゴールドで譲ってはいただけないでしょうか?
 なぁに餌にはしませんよ餌には……」

「……餌にしないのなら、まぁいっか。
 奴隷契約の呪印を爺さんに譲ろう」

 こうしてボクのいないところでボクの売買契約が成立していた。

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