第2章33話:旅の許可
屋敷に帰って自室に入る。
さっそくスキル石を使用した。
使ったスキル石は砕けて、ただの石ころに変わっていく。
全てのスキル石を使い終わった。
これでスキルの習得が完了だ。
さらに……
【可食判定魔法】については、鑑定魔法と融合させることにした。
これで、対象物を鑑定するついでに可食かどうかも判定できるようになったわけだ。
(冒険に必要なスキルも手に入ってきたし、そろそろフィールドに出てみようかな?)
実はこの世界に転生してから一度も冒険に出たことはない。
父の英才教育による軍事訓練で、山に入ったことがあるぐらいだ。
でも、そろそろ冒険に出てもいいはずだ。
目的はもちろん、自身を強化してくれるスキルやレアアイテムを集めるためである。
(冒険でないと手に入らないスキル石をあるしね)
むしろスキル商人から手に入るスキル石は、ほんの一部である。
本当にゲーム攻略をラクにしてくれたスキル石は、冒険の中で入手する。
それらを手に入れないと、この先、苦労する局面も出てくるかもしれない。
(父上に相談してみよう)
夜。
私は、父ルーガの執務室に訪れる。
父上に冒険に出たいという旨を伝えた。
彼は少々考え込んだが、最終的には同意した。
「冒険に出ることは認めよう。ただし、護衛はつけさせてもらうぞ」
「わかっておりますわ」
「護衛はこちらで用意する。それまで準備や鍛錬に励むとよい」
「はい。お願いいたします、父上」
こうして冒険の許可が下りた。
そのようなやり取りがあった後、私は冒険の準備に打ち込んだ。
回復ポーションや魔力ポーションの購入。
テントや寝具や食器などの、野営グッズの購入。
バフポーションの製作。
……などなど。
そして、それらの便利品は全てアイテムボックスに収納する。
数週間後。
いよいよ旅出の日がやってきた。