第34話 四天王会議
『やっぱりさ、もう隠すの限界だと思うんだよね。ウチは公表する方に一票』
『公表するのもリスクがあるよ。もし一人でも高校が特定されたら、残りの四人まで巻き添え喰らうわけだからね。私は今まで通り隠した方がいいと思うな』
『でもさぁ、これ以上ファンに嘘つくのはさすがに心痛むよ~。ボクなんて共学なのに女子高って嘘ついちゃってるから、どんどんきつくなってくる』
「ではヒセキとれつは公表に賛成、ハクアは反対、ということですね。かるなはどうですか?」
『私は……ひ、批判が怖いかな。公表するってことは、これまでずっと嘘ついてたってバラすわけだしね……』
『そこはちゃんと説明すればわかるでしょ。さっきハクアが言ってたみたいに、リスクがあったわけだからさ』
「私もれつの言う通りだと思います。経緯を説明すれば許してくれるかと」
『それなら……私も公表に賛成、かな。だいふくたちに嘘つくのは……嫌だもん』
「これまでの意見を受けて、ハクアは意見を変えますか?」
『う~ん……そうだね。みんなが公表したいなら、私は多数派に流されることにするよ。マネージャーはどっちの意見なのかな?』
「私はどちらかと言うと反対側です。リスクの面で怖いですからね。でもヒセキやれつの意見もわかります」
『中立って感じだねぇ。あと今日はいないけどぽよよの意見と、あと社長の意見も大切だよね~』
「社長とぽよよには事前に意見を聞いておきました。それを踏まえて、結論を出します」
6月某日。
朝影麗歌はイヤホンを付け、SNSツールで同時通話をしていた。
相手は四人。月鐘かるな、天空ハクア、蛇遠れつ、七絆ヒセキ。次世代Vチューバ―四天王である。
「例の件について、公表しましょう。公表するタイミングは後日、また社長と話し合います」