第三話 河北一武闘会
関羽が厳桃の婿となり、その噂が并州ばかりではなく
武勇さえあれば関羽の地位を奪い、己が成ると思った猛者達が厳氏の領地で事件を起こす様になり、義父である厳氏は関羽に何か? 解決策はないか尋ねるとある提案をした。
「河北一武闘大会を開いては如何ですかな?」
「河北一武闘大会とは? まさか……」
「そう。身分を問わず強い猛者を集め大会を開き闘わせ、勝者が全てを得ると言う事です。まあ、この関羽に勝てる者が居ればの話だがな……」
「それでは、婿殿に利が無い」
「それはある。負けた者は勝者の配下になる。それならば、厳氏様の軍に屈強な精兵や将が増えて、更に強力に成る。それに賭博の元締めをすれば軍資金も集まる」
「面白いぞ婿殿。早速、名士と商人に噂を広めさせよう」
こうして、その年の秋の季節に行われる事になる。
この河北一武闘大会は結果的に三十日間行われた。
何故なら参加者が約三千人も集まり時が掛かった。
こうして、最終日、三人の猛者が残った。
猛者達の名は、
関羽は己の強さの限界を知る為、三人にある提案をした。
「貴殿達は中々の猛者らしい。この関羽は誰にも負けぬ! そこで俺一人で貴殿達の相手をしよう。無論、配下にしてやるから手加減はするがな」
すると、三人は激怒した。
右頬に刀創のある二十代半ばの顔良は。
「儂の義兄弟、文醜と共に、お前を肉片にしてやるわ! 精々、豚の餌にならないようにな!」
二十代前半の魚の眼をしたような文醜は無言で怒りを抑え。
熊の様な大男の十代後半の張郃は。
「わっはっは。面白い冗談だ関羽!」
と、三者三様に闘志を燃やしていた。
やがて、関羽対顔良、文醜、張郃の試合が始まった。
先ずは正面から張郃が両手に槍で突き掛かり、右から顔良が矛で薙ぎ払う、左からは文醜が薙刀で斬り裂こうとする。
すると、頭を狙った槍で突き掛かった張郃を、片手で槍ごと振り回して投げ飛ばした。
隙が出たので顔良の矛が右足を狙うが、矛を右足で踏みつけられた上に砕かれてしまう。
左から胴体を斬り裂こうとした文醜は左足で薙刀を蹴り飛ばされてしまった。
まさに一瞬の出来事である。
余りの武勇に張郃、顔良、文醜は得意な武器を使用したのにも関わらす圧倒的な武術に心より敗北して平伏。
「「「関羽様にお仕え致します」」」
と誓った。
こうして、関羽は大会の約定通り、参加者約三千人の武人を配下にして青龍党という武人部隊を得たばかりか本来ならば将来、
また、賭博や出店の収益で約三十万銭の収入を得て、その内約二十万銭を朝廷を牛耳る宦官の
しかし……。