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救世主

 ※消えてから半年近く経ってました。半年も経つと物語の構成忘れるものですね
 これからぼちぼち書いていきますが、別人が書いてると思って見て下さい(別人が書いてるので閲覧注意)
 人物紹介のパートはしばしお待ちを……(見返して思ったけど、人物紹介要らなくね?)



 

 ――――――


 ロイス「ナリア誰か持ってくれないか?重いんだけど」

 カズヤ「えぇー嫌だよ。重いもん」

 ケール「俺も重いから嫌だ」

 森を歩いていると俺の後ろを歩いていているロイスがナリアを代わりに持つよう懇願してきた
 当然、返答はNO。(今の体には堪える重さしてるよ)
 俺はナリアをおぶったから、あとおぶってないのはケールか
 ケールが持てばいいんじゃないか。それなら平等だ


 カズヤ「ケール、おぶってないでしょ?おぶりなよ」

 ケール「だとしても嫌だよ。疲れてるから」

 ロイス「疲れてんのはみんな同じだ。言い逃れさせねぇぞ?」

 カズヤ「いつまでもわがまま言うなよ。大人だろ」

 ケール「仕方ない。ロイス持つよ……重ッ!!」

 ケールは仕方ないとため息をつくとロイスからナリアを受け取り背中で抱える
 持った瞬間、とっさに叫んでいた。ナリアが聞いてたら修羅場だった
 ナリアがまだ寝ててよかったな。ケール
 ……あれ?ナリアさんの目が開いてるんですけどぉ?
 聞いてないな。目を開けながら寝るんだったらそう言って下さいよ
 驚いちゃうじゃないですか


 カズヤ「びっくりした。ナリアって目を開けて寝るんだね」

 ロイス「え?そうだったか?ナリアは普通に寝ると思うが」

 ケール「この世に目を開けて寝る人間はいないでしょ」

 カズヤ「え?じゃあ今のナリアって……」

 ナリア「起きてるわ。みんなが私のことをどう言ってたかも聞いてた」

 O☆WA☆TA
 俺が重いって言ったの聞こえてたの⁉
 聞いてるなら言ってよぉ……絶対そんなこと言わないからさぁ
 

 カズヤ「重いって言うのはナリアが重いんじゃなくて、疲労困憊の体には堪えるから重いって言ってるわけで……」

 ロイス「そうそう!!疲れてる今の体にはキツイって意味だ!!」

 ケール「疲れてるから重いだけで……!!」

 俺たちは必死になってナリアを説得しようと試みた
 それでも、ナリアの表情が変わることはなく刺す様な視線を俺たちに向けていた
 怖ぁ……一生許してもらえなそうな雰囲気出ちゃってるけど
 地獄に引きずりこまれそう
 
 
 ケール「ナリアって最近増量した?」

 こいつ……!!正気か⁉
 何ていう言葉を発してるんだよ!!言い方最悪か!!
 増量なんて言葉は歯磨き粉に使うものだろ!!(こいつもおかしい)
 ナリアの表情が……怖いよぉ
 これはケール○んだな
 俺たちは何も悪くない。悪くない。神に誓って言える


 ロイス「ケール!!」

 ナリア「フフフ、よく分かったわ……」

 カズヤ「ナリアさん。一旦落ち着きましょう。話し合いで解決でき……」

 ナリア「|怒りの衝撃《イーラ・ショック》!!」

 ロイス・カズヤ・ケール「「「アァァァァ!!!」」」

 ナリアが魔法を唱えると持っている杖から電撃が三人に向かって発射された
 直撃した三人は絶叫をあげた。三人の絶叫が森にこだまする
 ケールの野郎、呪ってやる……!!
 なんで俺まで巻き込まれないといけないんだよ!!!!
 ケールは余計なこと言わなければ電撃を喰らうこと無かったのに
 |こいつ《ケール》は本当にデリカシーがない
 俺の世界で道徳の授業を受けてほしい


 ナリア「何寝てるのよ。早く街に向かいましょ」

 カズヤ「はい……(この人サイコパスかな?)」

 ロイス「ナリア、死ぬだろ!!」

 ケール「今の死を覚悟したけど……」

 俺が立ち上がるとロイスとケールは地面からようやく顔をあげたところだった
 今くらいの電撃なら死なないって。さすがに加減するよ

 ナリア「カズヤ元気そうね?おかわりする?」

 カズヤ「アハハ……遠慮しておきます(やっぱりサイコパスだ)」

 ナリアは怒ると怖い人の代表格だった
 電撃のおかわりは死んでも要らない

 カズヤ「疲れてるのに……ケールが余計なこと言うから」
 
 ナリア「そういう状況を生み出したのはあなたたちじゃない」

 カズヤ「え?ケールじゃないの?」

 ナリア「ケールが余計なこと言わなくても攻撃してたわ」

 ナリアはムスッとした表情で言う。普通に怒ってた
 何だ。ケールを呪う必要ないのか
 良かった……けどだ。主犯はケールだろ


 カンちゃん「遅い早くしろ」カン

 カズヤ「痛っ!!あ、案内途中だったね」

 カンちゃん「早くついてこい」

 カズヤ「……叩く必要ないよね」

 カンちゃんは中々ついてこないカズヤたちの元まで戻り、カズヤの頭を突く
 カズヤは突かれた箇所をさすり空へ飛び立っていくカンちゃんをじっと見ていた
 絶対叩く必要無いんだけどな


 ナリア「じゃあ街に戻りましょう」

 カズヤ「そうしよう。もう疲れた」

 俺たちはカンちゃんの案内についていき街に戻った
 森から出てくるとそこは高台で街が一望出来るスポットだった
 街に戻ってくる頃には太陽が西に傾いており、街が夕焼けで染まっていた
 綺麗だな。この景色をウルトルさんとも見れたら良かったけど
 そうだ。ウルトルさんを埋める場所、この高台にしよう
 ずっとこの街を見守っていて欲しい


 ケール「戻ってきたぁ。疲れたぁ」

 ロイス「なんか疲れがドッと来た気がする」

 ナリア「安心すると疲れるわね」

 街に着いたという安心感からみんな疲れているようだ
 俺も疲れてるはずなのにまた疲れの波が来た気がする
 早く宿で休みたいけど、その前にやらないといけないことが色々ある


 カズヤ「まずギルドに行ってあったことを報告しよう」

 ケール「疲れてるから明日にしない?」

 ロイス「今からはキツイな」

 ケールとロイスがあからさまに嫌な顔をする
 気持ちは分かるけど、ウルトルさんのことを伝えないと
 ギルドの管理者だったんだから、実質トップだ
 トップが決まらないと組織は機能しない
 

 カズヤ「|報連相《ほうれんそう》だよ」

 ナリア「そう。|報連相《ほうれんそう》よ」

 ケール・ロイス「「??」」

 あれ?ケールとロイスに伝わってない?
 ナリアに伝わったから大丈夫だと思ったんだけど常識ではなかったみたいだ
 でも、よくよく考えてみればほうれんそうって現実世界の言葉だよな
 なんで異世界にいるナリアが知ってるんだ?


 ロイス「何だそれ?野菜じゃねぇか」

 ケール「野菜のことでしょ。ホウレンソウがどうしたの?」

 カズヤ「伝わってない……」

 ナリア「報告、連絡、相談の頭文字を取った言葉よ。よく覚えておきなさい?」

 ナリアが丁寧に説明してくれた
 ケールとロイスはポカンとした表情をしていたけど
 本当に|報連相《ほうれんそう》なんて言葉、異世界にあるのか?
 

 ロイス「よく分からねぇけど、ギルドに行かないといけないんだろ?それなら仕方ねぇ」

 ケール「そんなに大切ならついていくよ」

 |報連相《ほうれんそう》を理解してないみたいだけど、ギルドに行かないと行けないということは伝わったみたいだ
 それが伝わってるならいいや。早いところギルドに行って報告を済ませてしまおう
 俺たちは高台を降りてギルドに向かった


 受付嬢「ご無事でしたか!?」

 カズヤ「はい。でも、ウルトルさんが……」

 俺たちがギルドに入り、受付に向かうと受付にいた女性は飛んで驚いた
 ウルトルさんの話をすると女性は悲しそうな顔をした
 女性の反応でウルトルさんが慕われていたのがよく分かる
 惜しい人を亡くした。ウルトルさんの分まで頑張って生きないとな
 ウルトルさんが最後に言った言葉は死ぬまで忘れない


 受付嬢「あなた方だけでも無事に帰って来てくれましたから。それで十分です」

 カズヤ「|災いの騎士《カタストロフィナイト》のことなんですけど……」

 俺は続けて災いの騎士の拠点を壊滅させたことを報告した
 ギルド内に衝撃が走り場がザワついた
 俺なんかおかしなこと言った?
 何をそんなザワついてるんだ?


 受付嬢「拠点を壊滅したって本当ですか?」

 カズヤ「はい。犠牲が出てはしまいましたが……」

 受付嬢「大ニュースじゃないですか!!ウルトルさんも喜んでますよ!!」

 カズヤ「そうだと嬉しいです」

 ギルド全体が何やら騒がしくなり、忙しそうにし始めたので俺たちはギルドを出た
 もう休みたいけど、まだやらないといけないことがある


 ロイス「全て終わったことだし、パーティーでもするか!!」

 ギルドを出るとロイスが元気良く言った
 そうだった。パーティー狂が居たんだった
 宴会をやりたいのは山々だけど俺にはまだやること残ってるしな
 明日にしてくれないかな?


 カズヤ「明日にしない?今日はさすがに疲れて宴会どころじゃないよ」

 ロイス「馬鹿野郎!!その日にやらないと喜び半減するだろ!!」

 めんどくさいタイプのパーティー狂だ
 どうやったら宴会を明日に出来るかな
 食べ物を新鮮なうちに味わいたいって言ってるのと一緒だよな
 そんな人を説得するなんて無理だな


 ケール「明日にしようよ。今日は疲れてパーティーどころじゃないよ」

 ナリア「同感ね。パーティー狂も休んだら?無理は良くないわよ」

 ロイス「みんな乗り気じゃなかったか。なら明日だ。ナリアの言う通り無理は良くねぇからな」

 ロイスは全員乗り気じゃないと気づくと明日だと即決した
 切り替え早!!パーティー狂の意外な一面
 どこいっても結局は数に押されるのか
 俺らは宿に戻り、それぞれの部屋に入った
 

 カズヤ「あぁー疲れたぁー」

 カンちゃん「寝るな。設計図確認しろ」カン

 俺がベッドにダイブするとカンちゃんが頭を突いてきた
 分かってる分かってる。頭を突くな!!
 痛い、心なしか頭凹んでる気がする
 さすがに気のせいだよね?


 カズヤ「分かってるから、頭を突かないで。頭削れる」

 カンちゃん「いいから早く設計図出せ」

 カズヤ「良くねぇよ!!!」

 俺は大声でカンちゃんに突っ込んだ
 そして、収納していた設計図を取り出す
 どこの間取りだ?
 間取りだけ見ても分からないな


 カズヤ「どこの間取り?」

 カンちゃん「地下牢」
 
 カズヤ「地下牢ってクラスメートがいた場所だ。欲しかったやつだ」

 カンちゃん「入り口は2つある。外のがこの前入ったところ。こっちは城の内部につながってる」

 カンちゃんがくちばしで突きながら説明する
 外にある出入り口がこの前入ったところで、この内部にある出入り口が城に繋がってるのか
 地下牢は地下牢で孤立してると思ったけど、城と直結してるんだな
 なら、次は内部から侵入したい。この前ので外部は警備が厚くなってるはずだ


 カズヤ「でもさ、元の世界に戻る方法が分かってからの方がスムーズに行ける気がする。今助けても、顔が割れてるから行動しずらいと思うんだけど」

 カンちゃん「それはそう。元の世界に帰る方法は我も知らない。手がかりはどこかにある」

 カズヤ「どこか……か。世界を旅しないと行けないのか……楽しいからいいけど、クラスメートがその間苦しむのは嫌だ」

 異世界を旅するのは楽しそうだけど、俺だけ楽しんでみんなが苦しむのは嫌だ
 本当は今すぐ助けに行きたいけど元の世界に帰る術が無いしな
 助けても追われるだけだろうし、俺の顔までバレると行動に制限がかかる
 

 カンちゃん「王殺すのが先。救出はその後」

 カズヤ「クラスメートをこれ以上苦しめるのは嫌だよ。殺すって言っても王の部屋と玉座の間がどこにあるのか分からないから、城を彷徨うだけだし。気づかれるのが先だよ」

 カンちゃん「でも、今すぐクラスメートを助けに行かない。ならその間苦しむ。先に殺した方がスムーズ」

 カンちゃんの言ってることは一理あるけど、王が城のどこにいるのかが分かってからじゃないと何回も忍び込む羽目になる
 それは警備を増やすだけだから後々面倒だ
 最善策が何も無い。せめて、王の具体的な居場所か元の世界に帰る方法のどっちかが分かればな
 

 カズヤ「物事には順序ってものがあるの!!」

 カンちゃん「大声出すな。うるさい」カン

 カズヤ「痛……せめて、どっちか片方分かればなぁ」

 ついつい熱くなってしまった
 今熱くなっても意味ないな
 でもな!!頭は突くな!!削れるだろうが!!
 もう既に凹んでる可能性があるんだよ!!
 これ以上悪化させるな!!


 ???「元の世界に帰る方法、チェドリアにならあるかも」

 カズヤ「え?……えぇぇぇ!!!!」

 カンちゃん「鍵閉めとけ」

 カズヤ「閉めたって!!……えぇぇぇ!!!!どうしてここに⁉」

 突然後ろから声をかけられ振り向くとそこにはナリアがいた
 なんで⁉鍵閉めたはずなのに!!
 それに元の世界に帰る方法を知ってる?
 ナリアって一体何者?

しおり