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・・・貴族かな?

「ととさん、この人だれ?」
「この人は…誰だろうね?」
「知らない人?」
「知らない人だけど、ととさんの危ないところを助けてくれた人だよ」
「ふうん・・・?」

イチゴアイスを食べてご機嫌な息子が尋ねてきたが、俺も聞きたい。
何気にお互い自己紹介してないしな。

「あ、ああ。申し訳なかったね」

相手も名乗っていないことを思い出したのか、身なりを整え、俺たちの方に向き直る。

「私はレイモンド・ロランという。レイとでも呼んでくれ」
「私は、メリィルージュ・ロランといいますわ。メリルと呼んでくださいな」

金髪美少女…もとい、メリル嬢は、それはそれは美しいカーテシーをしながら挨拶してくれた。

「ええと…二人はどういう関係で?」
「私たちは…「私たちは、兄妹ですの!」」

よくぞ聞いてくれましたと言わんばかりの勢いで、レイモンド…レイの言葉を遮る。

「ええっと、お嬢様?」
「メリルですわ!」
「…メリル嬢。お兄さん?の言葉を遮るのはどうかと思うよ?」
「お兄様だからいいのですわ!」
「いいわけないだろう!淑女ならたとえ兄であっても、遮ってはいけないとあれほど…!」

レイは妹に遮られたことに対して怒っていたが、よく見るとその目は笑っていた。
先ほどまで胸をはっていたお嬢様…もとい、メリル嬢は兄に怒られたことで、その小さな肩を落としていた。

妹のしょげる様子を見て、レイは肩をすくめると、妹と目線を合わせる。

「…怒っているわけではないんだ、メリル」
「お兄様…?」
「メリルはいつも言っていっただろう?お母様のようになりたいと」
「ええ、私もあんな立派な女性になりたいですわ!」

落ち込んでいたのがウソのように、キラキラした目で兄を見つめる。

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