378章 食事タイム
ミサキの焼きそばを食べられるからか、注文は10倍に膨れ上がった。
10倍の焼きそばを、一人で処理するのは難しい。材料については、シノブに任せている。
「ミサキさん、体は問題ないですか?」
2時間も調理を続けていたために、おなかは極限状態に近づいている。
「おなかすいた。何か食べたい」
仕事をしたときは、必要カロリーは膨れ上がる。いつも以上に、食べ物を摂取しなければならない。
「30分~60分ほど休んで、おなかをみたしましょう」
「そうだね。おなかを満たしたい」
おなかを満たすときは、カウンターに姿を見せる。食べるところを見せるのも、お客様に対するサービスなのである。
ミサキが登場すると、客席は大いに盛り上がることとなった。
「ミサキちゃんだ・・・・・・」
「ミサキちゃん・・・・・・・」
「ミサキちゃん・・・・・・」
ミサキは鞄の中から、50個のパン、3リットルの水を取り出す。
「ミサキちゃん、すさまじいパンの数だね」
「どれくらいで完食するのかな?」
「ワクワク、ドキドキ、ワクワク、ドキドキ」
「焼きそば以外を食べるのは、とっても斬新だよ」
「そうだね。焼きそばを食べるところしか見たことない」
パラペコ女性はパンを豪快にかきこむ。食べることに夢中になっているため、誰の声も届いていなかった。
10分としないうちに、50個のパン、3リットルの水はなくなっていた。
「たくさん食べられて幸せ」
お客様は食欲に対して、たくさんの拍手を送った。
「ミサキちゃん、すごい」
「腹ペコ少女の食欲はおそるべし」
「ミサキちゃんの食べられるところを見られて、とっても幸せな気分だよ」
「ミサキちゃん、最高」
「ミサキちゃん、焼きそばづくりも頑張ってね」
「とっても優しい味で、心から癒される」
「ミサキちゃんの焼きそばは、何物にも代えられないよ」
15~45分後には、焼きそばを作り始める。ミサキは一礼をすると、シノブのところに戻った。
「ミサキさん、焼きそばは作れそうですか?」
「なんとかいけるかな・・・・・・」
「無理だけはしないでくださいね」
「わかった。自分のできる範囲内で、精一杯頑張るよ」
ミサキは体を休めるために、横になることにした。少しでもエネルギーを回復させて、後半の仕事に備えたい。