379章 ホノカをお手伝いとして採用
ミサキは家に戻ってきた。
「ホノカちゃん、ありがとう」
一人で帰るのは忍びなかったので、ホノカに迎えに来てもらった。彼女の力添えもあって、問題なく家に戻ってこられた。
「ミサキちゃん、どういたしまして」
4時間も働いたからか、体は左に大きく傾くこととなった。
「ミサキちゃん、しっかりと休もう」
「休みを取る前に、ご飯をしっかりと食べたい」
パン50個の貯金は完全についている。大量に取り込まなければ、明日の朝を迎えるのは厳しい。
「ミサキちゃん、何を食べたいの?」
「フォアグラ、キャビア、トリュフを使用した、カレーライスを30人前。自販機で注文できるからお願いしてもいい」
世界三大珍味カレーライスは、一人前で300ペソ。高級食材を使っているため、破格の値段がついている。
「わかった。自販機で注文するね」
腹ペコのときに食事を準備してもらう。腹ペコ成人にとって、とってもありがたいと思える。
「ミサキちゃんの夕食は、とっても豪華だね。私とは生活レベルの根本が異なる」
「ホノカちゃんもよかったら、カレーライスを食べてみない?」
ホノカは首を横に振った。
「私はいいよ。贅沢をおぼえたら、後々に悪い影響を及ぼす」
「ホノカちゃんは何を食べたいの?」
「豚の生姜焼き定食を食べたい」
たくさんの種類の中から、豚の生姜焼きを選ぶ。なかなか、渋いチョイスをしていると思った。
ミサキは温めていたアイデアを、ホノカに伝えることにした。
「お世話係を雇おうと思っているの。ホノカちゃんがよかったら、ここで働いてみない?」
一人暮らしをするには、大いに不安が残る体をしている。家政婦を雇うことによって、生活に余裕を持たせたい。
「ミサキちゃんのところで、仕事をしてもいいの?」
「いいよ。13時から17時の仕事で、時給は60ペソでどう。仕事ぶりによっては、出来高をつけることもある。日程については、ホノカちゃんの好きなときにしてもらっていいよ」
ホノカは満面の笑みを見せる。
「十分すぎる条件だよ。ミサキちゃんさえよかったら、明日から仕事をしたい」
「基本的には食事のお世話などをお願いするね。話し相手などもお願いしたい」
「わかった。私でよければ、全力で頑張る」
ホノカはいつにもなく、ニコニコとしていた。満面の笑みを見ていると、とっても幸せな気分になれた。