377章 出社
シノブに事情を説明した。
「なるほどです。ホノカさんは、大変な生活を送っているんですね」
「シノブちゃん、なんとかできることはない?」
シノブは目を軽く瞑った。
「助けてあげたいのは山々ですけど、私にできることはないですね。人員もたくさんいるので、追加で雇うのは難しいです」
ミサキの他に、マイ、ユタカ、フユコ、シラセ、アサミが勤務している。人数は飽和状態である。
シノブは言葉を絞り出した。
「無責任かもしれませんけど、しっかりと養ってあげてください。私はこれが精いっぱいの言葉です」
「わかった。半年~一年くらいは、面倒を見るよ」
「ミサキさんは、とっても心優しい女性ですね。人気があるのも頷けます」
「餓死をして、こっちの世界にやってきたの。空腹の人を見ると、ほっとくことはできないよ」
アオイ、ツカサは助けたいと思わないけど、ホノカには手を差し伸べてあげたい。日常の生活態度は、援助に大きく影響する。
「ミサキさん、仕事をお願いします」
「わかった。すぐに調理するね」
本日はカウンターのおもてなしではなく、焼きそばの調理をする。一カ月ぶりとあって、モチベーションは高かった。