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魔力回復魔法

 え?このじーさん何言ってんの?

「えーっと、マーリンさん、もう一度言ってもらっても?」

「だから、服を脱ぐんじゃよ」

「いや……でも………」

「何を恥ずかしがってるんじゃい。ただ、お主の魔力の流れを良くしてやろうとしているだけじゃぞい」

 え………魔力の流れを良く………?なんだ、変なことをしようとしていたわけでは無かったのか………。
 良かったぁ……本当に良かった……。

「そういうことなら、よろしくお願いします!」

 マーリンさんに言われた通り服を脱ぐ。
 すると、マーリンさんは、俺の背中に手を置いた。

「ハッ!」

 掛け声と共にズンと衝撃が走る。
 直後、モヤモヤしたものが体の中を巡っている感覚に襲われる。
 俺が不思議に思っていると、マーリンさんが答えを教えてくれる。

「どうやら、感じているようじゃの」

「はい…。なにかモヤモヤしたものが体の中を駆け巡っているような感じです」

「そのモヤモヤしたものが魔力じゃ。しばらくその感覚に慣れるといい」

「はい、わかりました」

「さて、次はシルヴィちゃんかの」

「はーい!あ、私を服脱がないと、だめ………?」

「シル……嫌かもしれないがこれは、仕方ないこと………」

 シルが服を脱ぐのも躊躇っているので、それは仕方がないことだと説得しようとしたが……。

「いや、シルヴィちゃんは脱がなくて平気じゃぞい」

「えええ!?じゃあ、なんで俺だけ脱がせたんですか!」

「ほっほっほ、ちょっとした観察じゃよ」

「はぁ……そうですか……」

 よく分からない観察とやらで俺は服を脱がされたらしい。
 俺の体を見て何が分かるというのだろうか?
 まさかこのじーさん、腐った頭の持ち主なのか……?


♢ ♢ ♢


 無事、シルの魔力の流れを良くすることができ、やっと俺たちは、マーリンさんに教えてもらえることになった。
 まず俺たちは、魔力が流れる感覚に慣れながら、魔法について教えてもらっていた。
 ちなみにセレナさんは、水を汲みにいくと言い、近くの湖に行っている。

「じゃあ、まずは基本からじゃの。シルヴィちゃん、基本の魔法の属性を言ってごらん」

「はーい!火、水、風、土、雷の5つ!」

 シルがマーリンさんに魔法の属性について聞かれ、それに答える。
 俺は火魔法、シルは水魔法、風魔法、そして光魔法のスキルを持っている。

「よろしい。次に基本の属性とは、異なる性質を持つ光魔法と闇魔法がある。光魔法は、回復やサポートなどが基本じゃな。闇魔法は、妨害や侵食など用途は様々じゃ。
 また例外的な位置付けになるが、この7属性の魔法とは異なり、その者特有の魔法を持つ者がいる。それは【固有魔法】と呼ばれておる」

「「固有魔法?」」

「うむ。固有魔法は、同じのを持っている者は、滅多に居らん。故に固有魔法じゃ。
 固有魔法はその者自身にしか扱うことが出来ないゆえに非常に有能だったり強力なものが多い。ジークの【固有魔法】のようにな」

「え?俺の固有魔法?」

「おじいちゃん、どういうこと?」

 マーリンさんが俺の持っている固有魔法が強力なものだと言ってくる。

「ジークは、気付いてないかもしれんが、お主の『魔力回復魔法』は、とんでもない魔法じゃぞ?」

「本当ですか!?あ………でも、どんなに凄い魔法だろうと俺の魔力値じゃ………」

「そう!そこじゃ!その問題を解決してしまう魔法なんじゃ!」

「え?どういうことなんですか?」

 例え、俺の持つスキルがどんなに強力なものであろうと、魔力値が100であれば、それを使いこなすことは困難であると思い再び落胆していると、マーリンさんがその俺の魔力値自体の問題を解決する魔法だと言ってくる。

「お主の魔法の効果は【消費した魔力の10倍の魔力を回復する】んじゃ」

「「え?」」

 消費した魔力の10倍を回復?ちょっと待てよ……。それって、つまり………魔力が尽きることなんて無いんじゃ……?

 シルも同じことを考えたようで、マーリンさんに質問をする。

「おじいちゃん、それって魔力が尽きることなんて無いんじゃないの?」

「そうじゃ、よくわかったな」

「マーリンさん!じゃ、じゃあ俺は、戦うことが出来るんですか!?」

「まぁ、それはお前さん次第じゃな」

 俺でも戦うことが出来るという事実を知っただけで今までの悩みが一気に晴れた気がした。
 何でもするという覚悟を持ってはいたが、魔力の問題が解決するとなればこれ以上に嬉しいことはない。

「魔力が尽きることが無いとはいえ、ジークの魔力値は、100じゃからの。強力な魔法を使うことが出来ない」

「確かにそうですね」

「え?どゆこと?」

 ちゃんと理解ができていないシルに改めて説明する。

「魔力を回復することはできるけど、俺の魔力値は100しかないからそれを超える消費量のものは使えないってことだ」

「えっと、例えば魔力を150消費する魔法やスキルは使えないってこと?」

「そういうことだな」

 どう足掻いても俺の魔力値は100のまま変わることはない。
 それでも魔力が尽きることがないということは、この上ない利点であるように思える。
 マーリンさんが俺次第で戦うことができると言っていたので、その方法を尋ねる。

「それで俺はどうしたらいいんですか?」

「そうじゃな。ジークには、身体強化と物体強化をマスターしてもらう必要があるかのぉ」

「「身体強化と物体強化……?」」

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