バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

k-116

 結婚式は、司会役を買って出てくれた、バイエルンさんの一言で厳かに始まった。

 アッシュ、良い子にしているんだぞ。俺は、アッシュが大好きなサラサのいる壇上に突進していかないように抱っこした。

 ヒラヒラの蒼いドレスにアッシュが飛びつこうとしているのは、誰の目から見ても明らかだった。

 マルゴは純白の大きく美しい花束を手にサラサの前に跪き、目線を下げて捧げる。サラサはその花束を受け取る。

 そして、結婚指輪をお互い交換した後、口付けを交わした。

 バイエルン様が、「夫婦として認める」趣旨の発言をした後、全員で祝福の言葉とともに拍手喝采を浴びせた。

 サラサは花束をエルザの方に向けそれをエルザがキャッチする。

 隣にいたジュノがエルザを抱き寄せ、サラサに向かって親指を立てて「まかせろ」のサイン。

 
 ――この場にいる全員に笑顔が溢れた。


 厳かな雰囲気から一転、晴れやかになった舞台の後、俺たちはパーティへと突入した。

 俺は、トゥカリュスの刺身とハーブ鶏の刺身が大人気で、追加で作るのにてんやわんやだった。

 もちろん俺も高級酒をチビチビやりながら、彼らの催し物を見ながら料理を作った。兵士の皆さんたちも即興でヘンテコな歌や踊りを披露していて、全員で爆笑した。


 俺も考えていた催し物を披露した。

 商社マンの頃、接待でこの手のことは沢山こなしてきたのでお手の物だ。

 そういえば、接待飲みの際、罰ゲームでストッキングを頭から被って笑いをとるという意味不明な伝統のある船会社があったなと思い出す。

 商船的なM的な。

 俺は、結婚式といえばあの曲しかないだろうと有名なウエディングソングを歌った。コマーシャルで使われていたお馴染みのあの曲である。

 歌っていると、サラサの目じりに涙が光った。言葉が通じていないのに不思議なものだなと思った。

 マルゴ、サラサ。本当におめでとう。



 彼らと彼らを祝福する人々。その多幸感溢れる熱気は、俺の家の敷地一帯の空間を幸福という色一色に染めあげたのだった。

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 みなさんこんにちは! ここまでお読み頂きありがとうございます。

 一応ここで書籍版1巻の終わりの部分となります。漫画版を読んでいる方はお気づきかと思いますが、漫画3巻のラストのモノローグがこちらにはなく(流れが悪くなるので)、そのまま次の話に進んでおります。

 実は漫画のラストにあったモノローグは小説1巻のエピローグという形で収録されているものを漫画版に採用してます。WEB版とは違う部分も多いので書籍版も是非読んでみてください。

 作品を書くモチベーションになりますので、本作を読んで応援したいと思った方は、お気に入り登録、評価、応援コメントをよろしくお願いいたします。

 また、紙の新品書籍を購入していただくのが一番の応援になりますので、そちらも何卒よろしくお願いいたします。(買った書籍は中古に流さないでいただけると、新品が売れて次の本が出しやすくなるので助かります)

 もしも「面白かった」と思って頂けましたら、最終話広告下の関連情報の【☆☆☆】を【★★★】にして応援いただけると嬉しいです。

📘📕📗📙📗📙📘📕📗📙📘📕📘📕📗📙
2023年6月9日発売の【商社マンの異世界サバイバル、コミックス5巻】が楽天ブックス様、Amazon様にて予約受付中です。(早い書店さんだともうすでにコミックコーナーに並び始めていると思います!)

作者ツイッターのリンク、もしくは「楽天ブックス(もしくはAmazon) 商社マンの異世界サバイバル5」で検索していただければ出てきますので、予約よろしくお願いします。

またKADOKAWA様公式HPにて5巻の書影公開されております。ぜひ見てみてください!

ニコニコ漫画様、コミックウォーカー様でコミック最新24話が公開されました。最新話が無料読めますので、読んでコメント・お気に入り登録お願いします!
📗📙📘📕📘📕📗📙📘📕📗📙📗📙📘📕

しおり