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第2章12話 開幕 団員育成訓練

緊急師団長会議は夜遅くまで続いた。

会議終了後、今後の方針を伝えるため悠と彩音は団員を第1訓練場へ集合させた。

 悠:
 「集まってくれたありがとう。先ほどの会議で決定したことを今からみんなに共有する。彩音。」

 彩音:
 「はい。」

彩音はスクリーンを下ろし、自作した資料を映し出した。

 彩音:
 「それでは今後の方針について説明します。まずは団員の育成についてです。」

会議で決定した団員育成については
・各団の師団長が他の師団に赴き、指導・稽古をつける。
・期間は1師団全体指導を2週間とし、個人指導・休息を1週間とする。

 彩音:
 「以上が団員育成について決定したことです。」

 新田:
 「つまり、他の師団長が稽古をつけてくださるということですか?」

 悠:
 「あぁ、そういうことだ。他の師団長の稽古を受けることで自身の戦闘スタイルの幅を広げ師団全体の戦力を強化しようというわけだ。」

 悠:
 「俺以外の稽古なんてそうそう受けられないからしっかり技術盗めよ。」

すると、団員の一人が

 団員:
 「その稽古はいつから始めるのですか?」

 悠:
 「来週の月曜日から開始だ。ちなみに最初はシーラちゃんが来るぞ。」

 悠:
 「あっ後、モモだけ少しだけ残ってくれ。」

悠は解散後、新人の白草モモ(しろぐさもも)をその場に残した。

 モモ:
 「師団長どうしたんですか?私だけ残して。」

 悠:
 「実はな師団長は他の師団に行くときにオペレーターを1人連れていけるんだけど、今回はモモを連れて行こうと思ってな。」

 モモ:
 「え?でも、いつもは彩音さんを連れて行ってるじゃないですか。今回も彩音さんがいいのでは?」

 悠:
 「それも考えたけど、団員の育成に当たってオペレーターの技術も育てていきたいと思っててな。オペレーターも他の師団の人がどんなオペレートしているか見るのも大切なんだ。」

 彩音:
 「だから、今回は1回も他の師団に行ったことのないモモちゃんが適任ってわけ。他にみんなは何回か行ってるし。モモちゃん最近実践のオペレートも慣れてきたし。」

 悠:
 「モモさえよければだけど。付いてきてくれる?」

 モモ:
 「はい、ぜひ行かせてください。他の人のオペレートも見てみたいです。」

モモはすぐに承諾した。

 悠:
 「よし、じゃあお願いね。来週までに準備しててね。彩音、準備手伝ってあげて。」

 彩音:
 「はい。行こうかモモちゃん。」

 モモ:
 「はい。」

次の月曜日、団員育成訓練の日となり、悠とモモは最初の師団へ向かった。

 モモ:
 「団長、最初はどこの師団なんですか?」

 悠:
 「最初は第3師団、スタークのところだね。」

 モモ:
 「ということは南部からなんですね。」

 悠:
 「そう、南部から西部・北部・中央部最後に東部っていう順番だよ。」

そして、南部に到着した2人はすぐに第3の基地へと赴いた。

 モモ:
 「ここが第3の基地ですか。」

 悠:
 「そうだよ、入ろうか。」

基地の中に入ると第3の副師団長のアイザックが悠たちを出迎えた。

 アイザック:
 「第1の師団長殿お待ちしておりました。オペレーターは見たことのない女性ですね。新人ですか?」

 悠:
 「あぁ、新人の白草モモだ。これから約3週間よろしくな。」

 アイザック:
 「こちらこそよろしくお願いします。みんな楽しみにしていましたよ。あのスターク団長を倒したのですからね。」

 悠:
 「あぁ、ビシバシ行くから期待しておいてくれ。着替えたらすぐに行くよ。」

 アイザック:
 「わかりました。お待ちしております。」

悠は着替えに更衣室へと向かった。

 アイザック:
 「さて、モモさんでしたね。」

 モモ:
 「あっはい。」

モモはかなり緊張していた。もともと内気な性格な彼女が右も左もわからないところで知らない男性と一緒にいる状況によりいつもより委縮してしまっていた。

 アイザック:
 「あなたはオペレーターでしたね。こちらへどうぞ。」

そう言って、モモはオペレーター室へと案内された。

 オペレーター:
 「副師団長こちらの方は?」

 アイザック:
 「第1師団の新人オペレーターのモモさんです。師団長の付き添いで来たので色々と教えてあげてください。」

 オペレーター:
 「はい、わかりました。」

 アイザック:
 「それでは私はこれで。稽古が始まりますので。」

 モモ:
 「あっあのありがとうございます。」

アイザックは軽く会釈して訓練場へ向かった。

 悠:
 「おぉ、来たなアイザック。これで全員か?」

 アイザック:
 「はい、全員です。」

 悠:
 「よし、今日から約3週間君たちの訓練を担当する第1師団の夜岸悠だ。こちらも君たちのレベル格段に上げるように努めるから、信じて付いてきてくれ。よろしく頼む。」

 第3団員:
 「はい!よろしくお願いします。」

こうして、団員育成訓練が始まった。

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