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k-107

 しばらく、職人たちが俺の家に滞在した。

 作業の末、寝所兼居間の増設工事。俺の家、焚き火や木のテーブルを置くスペースをぐるりと囲む形で石塀の設置工事が完了した。

 職人たちは、余った木材で、寝所にベットも備え付けてくれた。

 職人の食事の面倒を見たが、飲む飲む。

 サラサの店で補充したばかりの酒が、見る見るうちになくなっていった。

 石材の運搬員に食料と酒の運搬も依頼しなければいけなくなった。

 それでも二日酔いで使い物にならないということはなく、黙々と作業をしてくれた。

 出来上がった石塀は高さ2メートルほど、家正面には鉄製棒を溶接して組み合わせた鉄柵の扉。馬車が通れるほどの幅を確保した。

 そして、塀の内側には木で作った踏み台を設置してあり、4面合計8個ボウガンを設置した。

 踏み台に上って石塀に身を隠しながらボウガンを打てるようになっている。

 これならゴブリンやコボルト程度の敵であれば、おいそれと侵入できないだろうと思う。大蛇や空飛ぶトカゲもエサではないと思って見逃してくれるかもしれない。


 工事が終わると、職人がレスタの町へ帰っていった。5人にはお礼に燻製と酒をもたせてやった。


 夕方、入れ替わりでマルゴがやってきたので、残金の金貨300枚を支払った。

 マルゴがニカッと笑い、酒を飲むジェスチャーをした。工事完了のお祝いにかこつけて飲むつもりだな。仕方ねえなあ……。

 俺は昨日の風呂を、薪を燃やして追い炊きし、焚き火の近くで燻製卵とスモークチーズ、野ウサギ肉の燻製を作り出した。

 もちろんマルゴとチビチビやりながら。

 ザプンと入って全身の凝りをほぐした俺たちは、焚き火を囲い、燻製を肴に歌を歌う。俺は日本の歌も歌った。

 今日はお祝いだ、あえてシメのスープは飲まない。


 俺は、信頼できる親友と泥酔して記憶を無くすまで飲むという、幸せな飲み方を覚えてしまった。


 ――アッシュが呆れたように鼻をフンと鳴らした。

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