351章 一人旅に挑戦
ミサキはおやすみをもらい、一人旅に出かける。
誰のサポートを受けられないということもあって、大いなる不安を感じていた。最悪の場合、命を落としかねない。
夢岬駅に到着する前に、腹ごしらえをしようと思った。おなかに2~3時間の猶予を持たせておくことで、空腹を遅らせるのが狙いだ。
ミサキは寿司屋の暖簾をくぐった。
「いらっしゃいませ・・・・・・」
思わぬ来客だったのか、女性店員は大いに興奮していた。
「ミサキさんですか?」
「はい、そうですけど・・・・・・」
「ミサキさんの大ファンです。お会いできたことを、とても光栄に思います」
「そういっていただけると、とってもありがたいです」
「席にご案内させていただきます」
店員は奥に案内しようとしていたので、ミサキは希望の席を伝える。
「カウンターでお願いします」
腹ペコ成人にとって、移動=体力コストになる。特殊な体ゆえに、負担はなるべく小さくしたいところ。
「わかりました。カウンターにご案内します」
ミサキはカウンターに案内された。寿司を作っているところが見られる、特等席のような場所
だった。
ミサキはメニューをみたあと、注文する商品を告げる。
「かっぱ巻き50人前、いくら10人前、大トロ10人前、サーモン10人前、タイ10人前、うどん20
人前をお願いします」
寿司のメインは米。たくさん食べれば、大量のカロリーを摂取できる。
「かしこまりました。これから準備させていただきます」
女性店員は頭を下げると、寿司を握っている職人に注文を伝える。あまりに多すぎたのか、目の玉が飛び出しそうになっていた。