333章 シノブにも彼氏
ミサキは出社する。仕事開始時刻の、一五分前だった。
「ミサキさん、おはようございます」
シノブは美容院に行ったのか、髪はかなり短くなっていた。
「シノブちゃん、おはよう。髪を大胆に切ったね
「はい。気分一新のために、30センチほどカットしました」
マイ、ユタカ、フユコは仕事の準備を始めていた。
「みんな、おはよう」
マイ、ユタカ、フユコの順番で挨拶を返す。
「ミサキちゃん、おはよう」
マイはフェイスガードに、布製のマスクをしている。猫アレルギーから体を守るために、細心の注意を払っている。
「おはよう」
ユタカはいつも通りだった。
「ミサキちゃん、おはようなのだ」
フユコのアホ毛はピンと伸びている。本日の調子は絶好調のようだ。
マイから新情報を聞かされた。
「シノブちゃんに、彼氏ができたよ」
ホノカは妊娠、ナナ、シノブは交際スタート。ミサキの周りにおいて、いろいろな針が動き始めている。マイ、ユタカ、シラセ、フユコなども、いつかは彼氏を作るのだろうか。
フユコは新しい彼氏に興味津々だった。
「シノブちゃん、どんな人と交際しているのだ。フユコはとっても興味あるのだ」
ユタカは無言のまま、シノブのほうを見つめている。こちらについても、彼氏に興味を持っているのがわかった。
シノブは耳たぶを染めながら、彼氏の情報を話した。
「15歳上の男性です。職業はラーメン店を営業しています」
シノブは20歳くらいなので、交際相手の男性は35前後といったところか。年齢は離れすぎているような気がする。
ラーメン店と焼きそば店はどちらも飲食店。同じような苦労をしたものとして、馬が合うかもしれない。