291章 体の弱さ
野菜炒め、豆腐の味噌汁を作った。一般家庭で簡単に作れて、とってもおいしいメニューである。
野菜炒めに使用した具材は豚肉、キャベツ、もやし、卵。焼きそばとの具材の違いは、焼きそばと卵のみとなっている。あまりにも似ているので、きょうだいではないかと思えてしまった。
炊飯器で白米を炊く。初心者ということもあって、ふっくらとたけているのかは未知数だった。芯の残っている、ぱさぱさの白米でなければいいけど。
「エマエマさん、野菜炒め、豆腐の味噌汁ができました」
エマエマは歌詞を書いていた手をストップさせる。休みであるとはいっても、仕事は完全になくなるわけではなさそうだ。
「ミサキさんの料理は、とってもおいしそうですね」
「冷めないうちに、食べてくださいね」
「ありがとうございます」
エマエマは白米に手を付ける。
「ふっくらとしていて、とてもおいしいですね」
うまく炊けたことに対して、そっと胸をなでおろす。
エマエマは野菜炒め、味噌汁にも手を付ける。
「とっても優しい味なので、心はおおいに安らいでいます」
「よかったです」
「ミサキさんにマネージャーになってもらって、毎日のご飯を作っていただきたいです」
「私は焼きそば店を愛しています。10年後、20年後も続けていくつもりです」
「ミサキさんには、無限の可能性があります。焼きそば店で生涯を終えるのは、とってももったいないように感じます」
「無理はできません。ゆったりまったりとした生活を送っていきます」
エマエマのマネージャーになったら、1カ月としないうちにあの世に旅立つ。腹ペコ少女に、ハードスケジュールは無理である。