277章 みんながやってきた
シノブ、ホノカは大量の食料を抱えて戻ってきた。大量の汗をかいていることから、ハイペースで戻ってきたのを感じさせる。ミサキはそのことを知ると、胸はジーンとなった。
「ミサキちゃん、食料を買ってきたよ」
「シノブちゃん、ホノカちゃん、本当にありがとう」
シノブ、ホノカだけかなと思っていると、マイ、ユタカ、シラセ、フユコも同行していた。
「みんな、どうしたの?」
マイはハイテンションモードで答える。
「ミサキちゃんの危機を知って、食料を届ける役目を名乗り出たよ。親友のピンチを救うためな
ら、労力は惜しまないからね」
ユタカはレジ袋から、パンを取り出す。ホノカの勤務している店で売られているものだった。
「ミサキちゃん、いろいろなパンがあるよ」
ミサキはパンを受け取ると、一分と立たないうちに五つを完食。空腹のときの食べるスピードは、空を飛ぶドラゴンさながら。風の加速にのれば、目で追いかけられないレベルに到達する。
シラセはレジ袋から、おにぎりを取り出す。
「ミサキちゃん、おにぎりだよ」
フユコはレジ袋から、サンドウィッチを取り出す。チャームポイントのアホ毛は、まっすぐに伸びていた。
「ミサキちゃん、サンドイッチをたくさん食べるのだ」
「みんな、ありがとう」
ミサキはおにぎり20個、サンドウィッチ20個を完食。空腹で苦しんでいたおなかは、安泰を取り戻すこととなった。
エマエマは食べ終えたばかりの女性に、満面の笑みを見せる。
「ミサキさんは、たくさんの人に支えられていますね」
「そうですね。本当に助かっています」
「ミサキさんの支えられているところを見ると、私も支えられているのを感じます。ファンなく
しては、生きることはできません」
どんなに素晴らしい歌唱力を持っていても、支えてくれる人がいなければ宝の持ち腐れ。エマエマはそのことを、誰よりも理解していると思われる。