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264章 シノブと会話

 ミサキ、シノブは店をあとにする。

「接客態度はイマイチだったね」

 シノブの言葉に、ミサキは小さく頷いた。

「うん。接客しているというより、客を威嚇しているかのようだった」

 店主、おばさんのにらみつけるような顔は、鮮明に焼き付いている。

「チャーハンの見た目だけで、食べたいとは思えなくなった」

「あれはひどかったね」

「チャーハンでなくて、まずそうな卵焼きだよ」

「あんな料理を作っていたら、誰もやってこないのも納得だね」

 接客態度も最低クラスなら、ラーメン、から揚げ、餃子の味も最低レベル。つぶれるランキングに掲載するなら、間違いなく上位に名前をあげられる。

「猫がいたのは、本当に驚いたよ」

「そうだね。動物の放し飼いはNGだよね」

 猫を放置すると、ラーメン、チャーハン、餃子、からあげなどに付着しかねない。異物の付着した食べ物は、衛生的によくない。

 パトカーの音を認知する。友達駅の近隣において、何らかの事件があったようだ。

「ミサキちゃん、事件があったの?」

「わからない」

「犯人が早く捕まるといいね」

「そうだね」

 シノブはコンビニに視線を送った。

「ミサキちゃん、おにぎりを50個ほど買ってくるね」

「シノブちゃん、ありがとう」

 シノブはコンビニに向かう。ラーメン店の暖簾をくぐらずに、コンビニを訪ねておけばよかった。

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