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9話 真剣持ちの兵士をワンパンする俺のメイドさん。俺も頑張らねえとヤベエな

朝礼が始まった。朝礼は、各隊すべてが集まって行われる。

俺は1番隊の兵士に混ざって、黙って聞いていた。

1番隊隊長のリリス隊長が挨拶をする。

「皆おはよう。今日は、新しい仲間を紹介する。」

兵士の皆さんはざわつき始めた。

そりゃあそうだ。今まで新人なんて見たことなかったのだから。

「名前は、ツルギケイ。16歳だ。出身はニホンというところらしい。この国では珍しいが、彼はこの国の言葉を話せるようだ。仲良くしてあげなさい。」

「よろしくお願いします。」

俺は一礼をした。

すると、一人の兵士が手を挙げた。

「質問いいですか?」

「許可してあげる。」

「なぜその少年は、ここに来たのでしょうか?」

「よし、ケイ。軽く自己紹介しなさい。」

リリス隊長に言われ、自己紹介をすることになった。

「え~皆さんはじめまして。ツルギケイと言います。俺はこの隊に入って、魔王軍の討伐の力になります。どうか皆様。暖かく迎え入れてくださると幸いです。」

すると、拍手が起きた。

「頑張れよ坊主!」「期待してるぜ!!」

兵士たちは歓迎ムードだった。

だが、一部の兵士は俺を睨んでいた。

「あのガキ調子に乗りやがって・・・」「俺たちの昇格の邪魔だけはしないといいな」

などと言っていた。

その後、朝の訓練が始まる時間になったので、俺は準備を始めた。

「おい、そこのお前。ちょっと来い。」

すると、先ほど俺を睨んできた奴らが話しかけてきた。

「なんですか?」

「ちょっと来いと言っているんだ。」

俺は、大人しくついていった。
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着いた先は、訓練所の裏の林の中。

そこで、俺は木刀を渡される。

「ツルギケイと言ったか?今から、俺と勝負しろ。もし俺に勝てたら、認めてやるよ。新入り。」

兵士たちは3人組だ。いかにも小物感がすごい。でも、1番隊の兵士だから侮れないな。

「あの、勝手にこのようなことをしてもいいんでしょうか?上の人に怒られませんかね?」

すると、3人組は笑い出した。

「問題ねえよ。へへ。訓練で負傷したってことにすりゃぁいいからな。もしかして、ビビってんのか?」

3人は、武器を構えてくる。

俺はなんだかムカついた。ちょうどいい。俺の力がどれだけ通用するか試してやる。

「俺は、木刀はいりません。俺は素手で戦う方が得意なんで。」

「フン。好きにしろ」

戦闘が始まった。まず、右にいたチビからやり合う。

「くらえ!〈パワースラッシュ〉」

剣を振り下ろした瞬間、俺の拳が腹にクリーンヒットした。

「ぐはっ・・・」

そのまま気絶してしまった。

次はデブだ。

「俺の必殺技を喰らえぇ!!〈フルスイング〉」

俺に向かって横薙ぎの攻撃が来る。

俺はしゃがみ込み、攻撃を避けながら足払いをしてやった。

すると、見事に転び、顔面を強打したようだ。

「痛えー!!」

鼻血を出しながら倒れている。

そして最後は、普通体系の男だ。こいつは、他の2人と違って強そうだ。だが、演武は使わない。

使えば戦力比が4:6になるが、格下だった場合使うと損をする。

まずは、相手の出方を伺おう。

「どうした?かかってこないなら、こちらから行くぞ!」

そう言って男は突っ込んできた。

「うおぉぉ!!」

速い。今まで見た誰よりも速かった。流石、一番隊の隊員だ。だが、俺には当たらない。紙一重で避け続ける。

「くそッ!ちょこまかと!」

すると、相手は焦ってきたようだ。

動きが単調になっている。

「少林寺拳法、拳術、八卦掌!!」

俺は相手の背後に回りこみ、両手を合わせて背中に当てる。そこから一気に押し出す。

「ぐわあああ!!!」

吹っ飛んでいった。

よし、演武を使わなくても勝てた。どうやら、昨日の殺人鬼との戦闘で、倒しきれなかったが経験値を獲得できたみたいだ。

それに、この3人との戦いでも経験値を獲得できたみたいだ。

吹っ飛んでいった男はふらふらと立ち上がった。そして、真剣を抜いてきた。

「・・ッチ!!小僧・・。もう怒ったぞ!!軽く切り刻んでやる!!」

「おいアンタ・・。正気かよ・・!!」

後ろで見ていたデブとチビ兵士が止めようとするが、振り払われてしまう。

「うるせぇ!コイツは俺を倒しやがったんだ!!ここで殺さなきゃ、俺のプライドが許さねえんだよ!!!」

すると、男は突進してきた。

俺はその攻撃をよけようとしたが、俺に到達する前に、その男に誰かが横から飛び掛かり、遠く横にある壁に激突するまで蹴り飛ばした。

ガダーーン!!とすごい音がした。

「・・え?・・」

俺は驚くと、兵士の男を蹴り飛ばしたのは俺のメイドさんのソフィアさんだった。

確かに筋肉質だなとは思っていたが・・。クソ強くね・・?

「あ・・ソフィアさん?」

「大丈夫ですか?ケイ君。お怪我はありませんか?あの者たちには後できつく言っておきますので、どうかご容赦くださいませ。」

「えっと、ありがとうございます・・・。とりあえず、助かりました・・・。」

「いえ、助けていただいてありがとうございます。」

俺はソフィアさんの強さに少しビビっていたが、俺の背後のチビとデブの兵士も俺以上に恐れていたようで、「ヒィイイ!!」と情けない声を上げながら、逃げて行った。

メイドにビビって逃げる兵士ってどうなの?

兵士がいなくなると、ソフィアさんは俺の手を引いて歩き出した。

「それでは、これから訓練に向かいます。」

「あ、あの?ソフィアさんてどうしてそんなに強いんですか?」

俺が聞くと、ソフィアさんは立ち止まって答えてくれた。

「訓練の休憩時間に教えて差し上げます。今日の訓練は私が相手ですよケイ君。」

そう言うと、再び歩き始めた。

俺は訓練場に向かった。

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