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130章 従業員と焼肉

 新発売のハーゲンダッツに対して、大量の予約が殺到する。入手するために、1年以上は待つことになりそうだ。

 ミサキは報酬として、60万ペソを受け取る。個人事業主は、こういうときに非常に助かる。どこかの企業に所属していたら、全額を受け取ることはできなかった。

 アヤメはアイドル活動で、ボディガードを10人もつけている。60万ペソから、彼らの人件費を差し引かれるのは確実だ。

 仕事をするにあたって、手数料、仲介料もかかっていると思われる。こちらについても、アヤメの収入から減額される確率は高い。

 60万ペソの報酬のうち、どれくらいを受け取れるのか。30万ペソに満たなかった場合、アヤメに大きく同情する。

 ミサキは焼き肉店にやってきた。一人ではなく、シノブ、マイ、アオイ、ツカサ、ホノカ、ナナ、ユタカも一緒である。従業員全員で、焼き肉大会を開催する。

 アオイ、ツカサは顔色が悪かった。客商売は性に合わず、精神的に参っているように感じられた。アオイ、ツカサは自分の世界観でできる仕事が性に合っている。

 ホノカ、ナナもつかれているように感じられた。のんびりとしている性格なので、人気焼きそば店はきつそうだ。

 シノブ、マイ、ユタカは活力でみなぎっていた。アオイ、ツカサ、ホノカ、ナナと同じ会社で働いているようには見えなかった。 

 シノブは全員に声をかける。

「みなさん、焼き肉店に入りましょう」

 アオイ、ツカサは焼き肉を食べられると知って、元気を取り戻していた。どんなにくたびれていても、やりたいことに対しては、前向きになれる性格は羨ましい。

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