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104章 トップアイドルのおなか

 夜の9時を迎えた。朝の7時を迎えるまで、飲食のできない体になる。

「ミサキちゃんの断食タイムだね。ワクワク、ワクワク、ワクワク、ワクワク、ワクワク」

「アヤメちゃん、とっても楽しそうだね」

「たくさん食べているミサキちゃんより、何も食べないミサキちゃんのほうが貴重だもの。こっちにもとっても興味がある」

 ミサキの家に泊まらない限りは、食べているところだけを見ることになる。何も食べていないシーンは、とっても貴重である。 

「食べ物を口にしなくても、おなかはすかないの?」

「うん。朝の7時までは平気だよ」

 7時になるまで、空腹を感じることはなかった。

「7時になった瞬間に、断食していた分を食べるの?」

「そんなことはしないよ」

 7時の食事は通常通り。2~3倍の食事をとることはない。

「朝一番の大食いは見られないのか。とっても残念だね」

「アヤメちゃん、食欲を楽しむようなことはしないでね」

「ミサキちゃんの胃袋は特殊だから、興味を持つのは仕方ないことだよ」

 アヤメは前触れなく、おなかを触ってきた。

「あれだけ食べたのに、おなかはちっとも変化していないね」

「体重を増やさないように、食事の量をコントロールしているの」

 体重を維持するために、1日の摂取カロリーを19500~20500に調節することが多い。ぶっきらぼうに食べているように見えて、カロリー計算をしっかりとする。

 ミサキはアヤメのおなかに手を伸ばす。

「アヤメちゃんのおなかは、筋肉の塊みたいだね」

 普段から体を鍛えているのか、筋肉がたっぷりとついていた。食べるだけの生活送る女性とは、明らかに異なっていた。

「ミサキちゃんのエッチ」

 アヤメの軽いジョークを、そっくりそのままお返しした。

「アヤメちゃんのほうがエッチだよ」

「ミサキちゃんの手つきのほうがいやらしい」

「アヤメちゃんの手つきには勝てないよ」

 幼稚園児、小学生レベルの話に、二人は大いに笑っていた。

「つまらなさすぎることで、見栄を張ってもしょうがないよね」

「そうだね。二人は何をしているんだろうね」

 ミサキは両手を、アヤメの腰に伸ばす。人工的と思えるほどに、ウエストはくびれていた。

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