103章 アイドルのよくわからない極意
ココロは意を決したように、口を開いた。
「アヤメ先輩、ご相談があります」
「ミサキちゃんとひとときを楽しみたいの。ココロちゃんの相談は、事業所に戻ってからでいいかな」
ミサキとのひとときを楽しむというより、メニューをこなすのを優先していた。アヤメの発言に対して、クエッションマークがつくこととなった。
「1分とかからないので、ここで答えていただきたいです」
アヤメはすぐに終わると知ったからか、方針転換をしていた。
「わかった。どんなことを聞きたいの?」
「トップアイドルとしてやっていくためには、どのような心構えが必要でしょうか?」
ココロは新人アイドルながら、2位にのぼりつめた。アヤメが引退すれば、トップとしてやっていくことになる。
アヤメは顎に手を当てる。
「アイドルを楽しむことかな。楽しいと思っていれば、自然と結果はついてくるよ」
ミサキはよくわからなかったけど、ココロは満足そうな表情を浮かべていた。
「ありがとうございます。アイドルを楽しむことに、重きを置いていきます」
ココロは一礼したのち、家からいなくなった。