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32章 電車

 テレビをつけると、電車特集が組まれていた。昼間はアイドルだけを、映すのかなと思っていただけに、意外な印象を受ける。

 テレビに映し出されていたのは、光桜電鉄だった。ミサキの住んでいる街で、運用されている電車である。

 光桜電鉄は超光特急(プレートはオレンジ)、光特急(プレートは赤)、急行(プレートは青)、普通(プレートは白)の4種類。乗客が間違えないように、きっちりと色分けされている。

 プレートだけでなく、電車の色も異なっている。全体の色を変えることで、乗車ミスを0にする取り組みをしている。

 最速とされている、超光特急の途中の停車駅は、夢岬駅、友達駅、谷和原(やわら)駅のみ。80駅近くある中、わずか3駅しか停車しない。速達性は最強であるものの、使いやすさについては最低クラスだ。

 停車駅は少ないものの、乗客人数は最高レベルである。光の速度を求めて、たくさんの人間が乗車する。

 光特急も停車駅は少なく、8駅のみの停車である。速達性を重視しているため、停車駅は極端に抑えられている。こちらについても、使いやすいとはいいがたい。

 急行の停車駅は25。光特急の停車駅は8なので、3倍近く停車する。停車駅は大幅に増加するため、速達性は光特急に劣る。

 普通電車はすべての駅に停車する。すべての人の足になりうる、電車として活躍している。こちらを利用することで、まったりとした旅を楽しむことができる。

 超光特急、光特急には、指定席が設けられている。追加料金を払うことによって、確実に座れることができる。ゆっくりと旅をしたい人にとって、着席保証は非常にありがたい。

 急行、普通に指定席はない。確実に座りたい人にとっては、不便な電車であるといえる。

 ミサキの最寄り駅は夢岬駅。普通電車~超光特急のすべてが停車するため、速達性は非常に高くなっている。機会があったら、乗車できるといいな。

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