180. しおらしく
180. しおらしく
今日はGW最終日。とりあえずすることもないので部屋にいる。もちろん夏帆も一緒だ。初めてのお泊まり旅行は色々あったが楽しかったから良かった。黒崎や千春も楽しめたようだったしな。
そんなことを考えてるといつものようにこいつはオレにくだらないことを聞いてくる。
「ねぇ先輩って?私のこと好きですか?」
「なんだよいきなり」
「いいじゃないですかー、たまには聞いてみたいんです!私に愛を囁いてくださいよ〜!夏帆愛してるって!」
うぜぇ。なんでこいつはこんなにうざいんだ。というか、オレのことが好きならもうちょっとしおらしくしてくれてもいいと思うのだが。
「あのさ。お前少しはしおらしくできないのか?」
「え?先輩は私がしおらしいほうが好きなんですか?そしたら私のこといきなり押し倒して激しく抱いてくれたりするんですか?それならやりますけど……?」
「そんなわけねぇだろ!誰がするか!」
「じゃあやっぱり今の私はこの性格のままで行きましょう!私は今の先輩が好きですよ〜?」
なんだこいつ。めっちゃウザいんだけど。でもまぁ……正直悪くはないと思ってしまう自分もいる。
「まぁいいや。確かにしおらしい夏帆とか想像つかないし。気持ち悪いだけだからな。とりあえず明日から学校だから今日は早めに帰れよ?」
「……なんでそんなこと言うんですか。私は……先輩と一緒にいたいのに……」
「は?」
「……。」
……なんだよその反応。あざとすぎるぞ。でも本心だったら困るしな……。
「おい、大丈夫か?なんか変なもの食べたり飲んだりしたんじゃないのか?」
「あれあれ?しおらしいのは気持ち悪いんじゃなかったんですか?先輩は私のことを心配してくれるんですね〜?いやーん。押し倒してもいいですよ!」
くっそイラつく。調子乗ってんなこいつ。マジで疲れるんだが……。こうしてオレは休みの最終日なのに一番疲れるのだった。