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138. 花より団子

 138. 花より団子




 今日はいつものように夏帆が部屋に来ている。そしていつものように提案してくる。

「ねぇねぇ先輩!お花見しましょうよ!」

「花見か。いいんじゃないか?」

「ですよね?そしたら明後日やりましょう!お天気もいいってテレビで言ってましたし!」

 たまには綺麗な桜を見て心を癒されるのもいいよな。まぁ夏帆のやつは花より団子だろうけどな。

「そうだ!せっかくだし冬花先輩と千春ちゃんも誘いましょうよ!歓迎会もかねてやったほうが楽しいですよ。きっと」

 確かにそれは一理あるかもしれない。それに、これからの一人暮らしや学校生活も大変だろうし千春にとってもいいかもしれないな。

「私と先輩のラブラブぶりを見せつけちゃいましょうね!目の前でキスとかしちゃいますか?」

「しねぇよ!恥ずかしいだろ……そういうのは2人きりの時にやるからいいんだよ」

「へぇー、そうですかぁ。なら今しましょう!」

「は?」

「今二人きりですよ?はい。んー。」

「しねぇって言ってんだろ!」

「もう!照れ屋さんなんだからぁ~私はいつでもウェルカムですけどねっ」

 うぜぇな。またからかって来やがったよこいつ。オレのこと弄んで楽しんでるだろ。絶対。でもそんなところも可愛いと思ってしまうあたり重症だよな。まったく……。

「とりあえず冬花先輩は電話でいいとして、さっそく千春ちゃんの部屋にいきましょう!」

「待て待て!いきなり行ったら迷惑だろ!それに部屋を見られるの嫌かもしれねぇし」

「なら先輩の部屋に来てもらいましょうか」

「お前が決めんなよ!」

「だってここは私の部屋でもあるじゃないですか彼女なんだし。休みの日の1日の半分以上はこの部屋にいますよ?」

「なら来なくていいんだが。誰も頼んでない」

 こうしてオレたちは明後日、花見をすることになったのだった。

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