129. 想像がつかないです
129. 想像がつかないです
「ねぇねぇ先輩!来週ひな祭りですね!女の子の記念日なんですよ!だから私に感謝してください!」
「何でだよ……」
「だって、私に感謝してますよね?先輩は。」
「そう言われると腹が立つんだがな。まぁ感謝はしてるよ。」
「ですよね~それでいいんです!えへへ」
うぜぇ……いちいち恩着せがましいのも腹が立つ。もしかして夏帆のやつはオレに何か求めているのか?よくわからないが。
「そういえば先輩。ホワイトデー期待してますからね?」
「そうか。黒崎にも何か返さないとな」
「私は!?私も愛のこもったチョコレートあげましたよ!?足りませんでしたか!?なんなら私の身体もあげても良かったんですけど……」
「いらねぇよ!」
「じゃあ私のお返しは……濃厚なキスでお願いします!」
「断る!」
「むぅ……先輩の意地悪。まったく恥ずかしがり屋さんですね?」
コイツ本当に人の話聞いてないな。でも今更そんなことでいちいちイラついてたらキリがない。もう慣れた。
「先輩。私のお返しはキスでいいですけど。冬花先輩へのお返し考えてるんですか?」
「キスはしないからな?特に考えてなかったが……?どうしようかな。」
正直何も考えていなかった。黒崎はどんなものが好きなのか……。そもそも何をプレゼントしたら喜んでくれるんだろうか。黒崎の喜ぶ顔とか全然想像できないんだけど。
「なら週末買いにいきましょうよ!デートもかねて。私が選んであげます!」
「それは助かる。頼むわ」
「任せて下さい!その代わり……先輩の選ぶものもちゃんと考えておいてくださいね?」
こうして週末に夏帆とデートもかねて黒崎へのホワイトデーのお返しを買いにいくことになったのだった。