94. 言ったもん勝ち
94. 言ったもん勝ち
「ねぇねぇ先輩!クリスマスどうしますか?」
「どうって?」
「やだなぁ、もちろんパーティーですよ!」
「やらないって言ってもお前はやるんだろ?聞くなよ。」
「もう!先輩は彼氏なんだから聞きますよ!一応。」
ほら一応じゃねぇかよ。本当にこいつはめんどくさいやつだな。
「あっ!私はプレゼントいりませんからね?パーティー開くだけでいいですから。そう言えば冬花先輩も呼びますか?」
「なんでだよ!オレの部屋でやるんだろクリスマスパーティーは。黒崎を部屋にあげるのは違うだろ」
「もしかして先輩。冬花先輩のこと襲おうとしてませんよね?」
「するかっ!!」
こいつは本当にうぜぇ……。わざと言いたいだけじゃねぇのか?
「ふーん……なら別に部屋にあげても大丈夫ですよね?」
「いや。だからオレのプライバシーがだな?」
「そんなこと言って本当は私とイチャイチャしたいだけなんじゃないんですか?二人きりでクリスマスに何しようとしてるんですか~?」
「何もしねぇだろ!普通に遊ぶだけだ!」
「先輩顔真っ赤にして可愛いですね~
。」
こいつそれが言いたいだけじゃねぇか。面白い。なら困らせてやる。いつもと同じだと思うなよ夏帆。どうせイヤらしいことしか言わないんだこいつは、だから逆に言ってやる。
「ならお前は何したいんだよ?言ってみろ」
「え?いいんですか?」
「あぁ。何でもいいぞ。」
「じゃあ……お姫様抱っこしてください。そして部屋まで運んでください。」
「は?」
「あれれ~?先輩どうしたんですか?なんでもいいんですよね?それとも嘘ついたんですか?」
くそぅ……。こんなはずじゃなかったのに。
「わかったよ。やりゃあいいんだろう。」
「わーい!やった~!」
そしてオレは夏帆をお姫様抱っこして部屋まで運んだのだった。