1章 餓死
食生活が一変したのは、両親の離婚後である。母親に引き取られてから、満足な食事を与えられなくなった。離婚前は一日三食だっただけに、不吉なものを感じていた。
1日当たりの食事は、米50グラム。どんなに小食であったとしても、完全に不足している。米だけで栄養を補うのであれば、400グラムは欲しいところ。
家の中の食べ物を探し回ったものの、どこにも見当たらなかった。それゆえ、栄養を補給することはできなかった。
食料だけでなく、水分も充分ではなかった。美咲が与えられた水は3日で、500ミリリットルのペットボトル1本のみ。明らかな水分不足だったため、喉はいつもカラカラだった。
水道水を飲もうとしたものの、蛇口から水は出なかった。水道の水が出ないのを見て、水道代を払っていないことを察した。
水道だけでなく、ガス、電気もストップしていた。家に住んでいるものの、それ以外は何もなかった。
ご飯を食べられなくなってから、40日くらいで倒れることとなった。美咲は病院に送られることなく、あの世逝きとなってしまった。