67. 白黒ハッキリつける
67. 白黒ハッキリつける
「ねぇねぇ先輩!オセロやりましょ!」
「オセロ?あぁ、あれか。良いぞ」
オレがそう答えると、夏帆は嬉しそうな顔をして、オセロの盤を持ってきた。夏帆とオセロで遊ぶことになった。向かい合って座り、オセロを始ようとすると夏帆が話しかけてくる。
「あっ先輩は白と黒どっちがいいですか?」
「は?どっちでもいいが?」
「ダメです!選んでください!私真剣なんですよ!」
「うぜぇ……何なんだよ……じゃあ……」
「先輩。この選択はこの先の未来がかかってますからね?慎重に選んでくださいよ?」
こいつ意味わかんねぇぞ。そんなに大事なことなのか?たかが白か黒か選ぶだけなのに。待てよ?こいつのことだからまた変な心理テストみたいなものやってんのか?
「……心理テストとかやってんのか?」
「やってませんよ。ほら早く選んでくださいよ。」
「じゃあ……白だな。」
「えっ!?なんでですか!?どうしてですか!?やっぱり白ですよね!?私信じてましたよ!」
なんだこいつ……めっちゃ食いついてくるんだが。逆に怖いんだが……。
「良かった……先輩が白を選んでくれて。」
「どういうことだよ?」
「もう!言わせないでくださいよ!先輩は『白石夏帆』『黒崎冬花』の白。つまり私を選んでくれたんですよ!私、愛されてますね!」
「くだらねぇ……」
「無意識でも私を選ぶって事はもう相思相愛!感謝感激ですね!」
くそっうぜぇ。やめろその四字熟語。なんだこいつの謎理論は。オレが白を選んだだけで、なんでこんなに喜んでるんだよ。理解できねぇ。
「そもそも黒崎はただのクラスメートだ。そういう対象にすらならないだろ」
「じゃあ私はどうですか?先輩にとって私はどういう存在ですか?」
「は?」
「やっぱりそういう対象ですよね!?いやーん。先輩の愛が大きすぎるよぉ~」
「うるせぇ!もうオセロやらねぇぞ!」
本当に面倒なやつだこいつは。結局そのあとのオセロはまぁまぁ白熱したし、楽しめたのだった。