18. 夏服マジック
18. 夏服マジック
今日から6月だ。いつものように白石と部屋にいるが、今日はめずらしく白石も宿題をやっている。本当に静かで助かるな。
「うーん……ねぇ先輩。ここ分からないんですけど?」
「ん?どれだ?」
「ここなんですけど」
「おま……顔が近いし、当たりそうなんだが?」
「えぇ~いいじゃないですかぁ。ほらほら早く教えてくださいよぉ~」
こいつはいったい何がしたいのだろうか?オレに本当に勉強を教えてほしいのか?
「なぁ?お前、わざとやってんだろ?」
「ふふっ。さてなんのことでしょうか?」
やっぱりこいつ確信犯じゃねーか!まったくこいつのこういうところだけはどうにかしてほしいものだ。
「あーもう分かったから少し離れろって!」
「嫌です。だってこうでもしないと先輩と二人っきりになれないじゃないですかぁ。それに私はただ先輩ともっと仲良くなりたいだけですよぉ」
「なら教えない。もう帰れ」
こいつもういっそのこと諦めてくれればいいのだが……。まぁそんなことは無理だろうな。
「せっかく制服が夏服になったんですよ?ほら……色々透けるから、先輩こういうの好きでしょ?」
そう言って白石は自分の胸元を見せてきた。確かに白のワイシャツだからピンクのヤツが透けてるんだよな……。正直めちゃくちゃエロい。
「別に好きじゃないし、そもそもオレにはそういう趣味はない。しかも白石のって……罰ゲームか?」
「またまたぁ。そんなこと言って顔赤いですよ?本当は私の胸を見たいくせにぃ~。イヤらしいな先輩は!」
こいつはほんっとにめんどくさいな!今すぐ追い出してやりたいくらいだ。
「うるさい。とりあえずオレはまだ宿題やるから、邪魔しないでくれ」
「ちぇっ。分かりましたよぅ。あっそうだ先輩?宿題終わったら私とゲームで遊んでくださいね?」
結局オレは宿題を終わらせて白石とゲームをして遊んだ。しかし……ブレザーを1枚脱いだだけなのに……侮れない。さすが夏服マジック……。