14. 迎えにいけばよき?
14. 迎えにいけばよき?
「ただいま~」
「ここはオレの部屋だぞ?お前は隣の部屋だ。」
「あの先輩?私思うことがあるんですけど……?」
思うこと?どうせろくなことじゃない。無視しよう。それが一番いい。
「無視しないでくださいよ!」
「うるせぇ。どうせくだらないことだろ?お前は自分の部屋に帰れよ」
「とても重要な話なんですよ!」
「は?」
「私たち付き合ってるのに、なんで一緒に登下校しないんですか?その方が一緒にいる時間長くなりますよ?良くないですか?」
「良くないな。お前とは付き合ってねぇし。だから登下校しない。以上。」
やっぱりくだらないことだったよ。こいつは何言ってんだろう。オレとこいつは恋人でもなんでもない。ただの隣人だ。いい加減認めてほしいもんだが……
「そうですね!先輩がそう言うなら仕方ありませんね……」
おっ?諦めてくれたのか?良かったよかった。これでこの面倒くさい後輩とも離れられるぜ。
「じゃあ私がこれから迎えにいきますから!」
「は?」
「そしたら一緒に登下校できますよね?明日から早起きしないと!」
「いやいやいや。おかしいだろ。なんでだよ。」
「だって先輩と一緒に登下校したいですもん。ほんの些細な彼女のお願いくらい聞いてくださいよ!」
「だから付き合ってねぇだろ!いいか絶対迎えにくるなよ?来たらもう部屋にはいれないからな?」
「わかりましたよ……素直じゃないんだから先輩は。」
結局、白石が迎えにくることはなかったけど、たまたま一緒になったら登下校をするようになったのだった。