4. 待ち合わせ???
4. 待ち合わせ???
オレは今、イライラしている。それはあいつが待ち合わせ場所に来ないからだ。同じアパートに住んでるんだから、本来ならそんなことは起こらないんだが……
あいつが『用事があるから13時に駅前で待ち合わせしましょう』。そう言って、昨日決めたはずだ。オレは怒りを抑えてスマホを取り出し電話をする。
「あいつ……まさか寝坊じゃねぇだろうな?」
すると電話がつながる。
「もしもし?」
《あっ先輩?どうしたんですか?》
「お前……どうしたんですか?じゃねぇだろ!13時に駅前で待ち合わせって言ったよな昨日?もう13時30分だぞ?」
《そんなに立ってましたか……。ふむふむ》
こいつオレのこと舐めてるのか?いや、それとも本気で忘れてるのか?どっちにしろ許せない。
「おい……ふざけんのも大概に……」
「せーんぱい!」
突然後ろから抱きつかれる。その声と背中の柔らかい感触で誰かわかる。オレが振り向くと白石がいた。今日は私服姿でとても可愛い。遠目に見てるだけならな。
「お前……遅刻しやがって。お前が買い物行きたいって言ったんだよな?」
「私は遅刻してませんよ?むしろ先輩より早く来てました。」
「は?」
「先輩の愛を試したんですよ?30分はかかりすぎかなぁ……。もう1分でも遅れたら電話して欲しかったです。」
「お前に対して愛なんかないだろ」
うぜぇ。こいつの言うこと全てうざすぎる。しかも、わざとらしく胸当ててきやがった。
「先輩ひどいですよぉ〜彼女に向かって!」
「彼女じゃねぇだろ!お前に付き合ってると疲れる。」
「ほら。自白してますよね?私と付き合ってるって?」
……こいつには何を言っても無駄だ。だからさっさと買いに行くことにする。買い物自体は楽しかったから、まぁよしとするか。