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第9話 『レースは白熱』

遊び場



著者:ピラフドリア



第9話
『レースは白熱』



 手を組んでいる。それは部活が始まる一時間前になる。



 休憩時間の十分の間に、イロハの教室にナツミが現れた。



「イロハ。今日はこいつをやろうと思う」



「それは、マリオカートですか?」



「そうだ!! 」



 その時にナツミはイロハとチームを組むことを提案していた。



 そう、全ては、



「アキ、リン!! 君たちを倒すためさー!!」



「なんだってーー!!!!」



 気がつけばイロハは上位に食い込んでいる。



 そう、二人の目的はこれだったのだ。



「私とイロハは二人で一人、そうだよな!! イロハ!!」



 ナツミはそんなことをイロハに言う。しかし、イロハは答えない。



「い、イロハ?」



 そして悪い顔をしてナツミを見た。



「ルールは個人戦。ナツミちゃんは手を組むことを提案しましたが、私は承諾してません」



「なにー!!」



 イロハはCPUを抜かし、一位になる。



「海賊の同盟には裏切りがつきものです」



「いや、海賊じゃないだろ!!」



「いいえ、私のカートを見てください」



「そ、それはクッパシップ」



 イロハが使っていたのは、木造の船のような形をしたカートだ。



「これで私は海賊だ。だから、裏切って許される!!」



「許されるか!!」



 そんな感じでレースは続き、プクプクビーチも終盤になる。



 最初のゴタゴタはあったが、リンとアキはどうにか戻ってきて、一位であるイロハの後ろに二人が並んだ。



「さて、強力はここまでだ」



「うん」



 アキとリンは協力してここまで上がってきた。お互いにアイテムをぶつけないという条件をつけ、二人してここまで来たのだ。



 しかし、二人の協定はここまで、ここからは個人戦。どっちがイロハを抜かして一位になっても恨みっこなしだ。



 しかし、イロハも完璧な防御体制を築いている。



 アイテムはバナナとクラクション。赤甲羅が一つ来たくらいじゃ、防げるし、青甲羅だってクラクションで破壊することができる。



 この完璧な防御に二人は抜かせずにいた。



 アキとリンはお互いに赤甲羅を持っている。タイミングを合わせて投げれば、イロハを倒すことができる。
 しかし、協定を破棄した今、イロハを攻撃すると見せかけて、攻撃を仕掛けられる可能性だってあるのだ。



 二人が悩んでいた時、最後のカーブを曲がったイロハが悲鳴を上げる。



「バナナに滑ったー!!」



 この声を聞き、リンは素早くアキの後ろに回り込む。



 だが、リンのアイテムは赤甲羅とボム兵。赤甲羅が二つあるわけではない。
 しかし、



 リンは赤甲羅を投げたあと、ゴールの手前にボム兵を投げる。



 ジャンプアクションをしたアキは回避することができず、爆発に巻き込まれてしまう。
 その隙にリンはアキを抜かした。



「やられたー!!」



【後書き】


 強!!


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