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チェルシーはルーン王国のお姫様

チェルシーはルーン王国のお姫様。
ある日、彼女は伝説的な魔法使いの息子であるマルコに一目惚れをしてしまいましたが、お目付け役のレナードは「あり得ない」と怒り心頭の様子です。
それでも彼女の思いは止まりません。
だって彼すごくかっこいいんだもの。

「わたし、マルコと結婚するわ!」
チェルシーは大声で叫びました。
でも、この発言にレナードも、チェルシーの父も怒りは止まりません。
結婚なんてまだ早いし、マルコなんて危険すぎる! と。
「なんなのよどうしてそんなこと言うの? あなたなんかただの雇われじゃない! それに何より、あの人は誰よりもかっこいいもの!」
チェルシーは喚きながら部屋を出て行きます。
すると、廊下でテイラーに出くわしました。
何かにやにやとした笑みを浮かべています。
「また怒られたみたいだね?」
「えっどうせわたしのこと馬鹿にしてるんでしょっ!」
「いや、違うってば」
テイラーは彼女の頭をポンポンと撫でます。
そして耳元で何かを囁くように言いました。
「へ?」
突然の言葉にチェルシーは思わずぽかんと口を開けてしまいました。
それを見て、彼はさらにニヤッと笑って続けます。
「君がもう少し大きくなったら、その時に言えばいいさ。
それまでは俺が代わりをしてやるから」
そう言って彼は去っていきました。
「ちょ、ちょっと待って! どういう意味よ!?」
チェルシーは慌てて彼のあとを追いかけようとしますが、今の彼女はドレス姿。
走るわけにはいきません。
彼女が追いかけようとする間にも、テイラーの姿は小さくなっていきます。
彼が曲がり角の向こうに隠れようとしたその時、向こう側から歩いてきた人影がぶつかります。
それは、 チェルシーと同じ髪の色を持つ女性でした。
「どういう意味よ? あんな男!」
彼女の怒りは頂点へと達し、彼女は叫んでいた。
チェルシーはハッとしました。
彼の顔には彼女の姿が見えているのです。
それでも彼の耳には、彼は動かず、自分の怒りを表情に出していました。
チェルシーはやっと彼に気が付き、彼の手を掴みながら尋ねます。
「あのその人は?」
テイラーは目をぱちくりさせ、
「あ、ああ。
俺のだよ」
ぼそりと呟くと、彼は走り去って行きました。
「ちょっと、どういうことよ?」
チェルシーは彼を追いかけようとしましたが、彼女よりも驚いた様子の彼に足を止めると、
「どういうこと、あなたもって言ったんです!」
彼はニッコリと笑うと、
「いや、いや俺はそういうこと言っているんじゃないんだよ。
ただなんとなく急に出て行ったから、道の様子を見に行っただけだから」
チェルシーは彼の答えにまた首を傾げますが、彼はそれが可笑しかったようで、
「いやいやどういう意味だよ?」
テイラーは怒ったように笑うと、
「君こそどういう意味か分かっているでしょう?」
チェルシーはそれ以上何も言えなくなりました。
彼は去って行ったテイラーを追いかけようと立ち上がりますが、彼女はそれでも彼に追い付けませんでした。
「待ちなさい、あなた。
もしかして、彼女の怒りに触れたり」
その時、部屋の外で誰かが叫びました。
聞き覚えのある声です。
チェルシーが恐る恐る部屋の扉を開けると、そこにいたのはいつも彼と一緒に街に出かける時に顔を会わせる、あの女でした。
「ああマリアンヌ」
彼女は椅子に座りながら、立ち上がって彼の方を見て尋ねました。


「あなたは今日と言う日に、あの子と逢うことになるとは思っても見なくて。
まさか、あの子に嫉妬していらしたのですか?」
「マリアンヌ。
お前は今、何か誤解をしているようだ」
「誤解と、なんと?」
「あの子と関係が無い!?」
テイラーは彼女が何を言っているのか、分からずに戸惑っています。
「マリアンヌ、あなたはあの子の心の奥、心の中で何をおっしゃっているのです?」
この後も続いて、マリアンヌはチェルシーに質問します。
チェルシーは答えません、何故、この人は、何を?と混乱するばかりでした。
「あの子に、あなたは何を」
「僕にとっての、彼女は君の心の中にあるものだ、ということなら、僕にとっての彼女は」

ここでチェルシーはハッとなって、彼女の方を見下ろしました。
何故、そんな事を自分に言うの? 彼の心にある何かの中に彼女がいて、それはそれは嬉しかったのだけれど、それだけで私は。
「あなたはあの子の何だと仰るのですか?」
「彼女には心がある。
だからそんな僕と関係を作り出そうとしているのか?」
「関係ということもできませんが、私は心がある、という貴方に嫉妬しています。
あの心の中に、あなたは、どうしてそんな事を考えていらっしゃるのですか?」
そう言うと、マリアンヌはその場から彼女の部屋に入り、彼女の前にひざまずきました。
「あなたは、私の心を理解できますか? 何も考えていませんか? そんな事」
チェルシーは顔を上げられません。
こんな事を言われるなんて思ってもいませんでした。
「私と一緒に居ても、良いと思って?」
「それはどういう」
彼女は彼の目をじっと見つめました。
マリアンヌも、もう少しで彼の言うことを聞くはずでした。
「もう1人の貴方、レイナに、私は」
「私たちは同じ物です。
ただ、マリアンヌ様はその事をお忘れですか?」
彼女は黙ってしまいました。
そう彼女達は元は一つの命でしたが今は違うものなのです。
彼女は、もう一人の自分をどう思っているのでしょうか? テイラーが戻って来た時、彼女はまだその場にいました。
彼はチェルシーの方を見ると、「さっきの男は何だったんだい? 知り合いか?」と言って近付いて来ます。
チェルシーはそれを見てほっとすると、
「いえ、別に何でもないんです」
と笑って答えました。
するとテイラーは不思議そうな顔になり、彼女の横を通り過ぎました。
テイラーの姿が消えた途端に自室に籠って深々と吐息しました。
マルコはチェルシーの部屋付近で 一方その頃、マルコはチェルシーの部屋のすぐ近くまで来ると足をとめて考え込んでしまいました。
一体何があったのだろう、と考えるのですが、チェルシーの部屋に入らずにいるのは何故かと聞かれれば困ってしまうからなのかもしれません。
彼はドアの前で悩みながら歩き回っていると、ふと、向こうから人がやって来ます。
彼は急いでその人物を避けようとしましたが、その相手は、彼を見つけると走って寄ってきます。
マルコが避けようと方向を変えるよりも早く。
ドサッと鈍い音が響きました。
二人はぶつかり、お互いの顔を見ながら倒れます。
相手の方は大きな帽子と長いコートを身につけているのが分かるだけですが、倒れた際に、相手の足下が見えました。
ブーツ靴? それを見て彼は驚いて立ち上がります。
間違いない。
これは、チェルシーと同じだ! 彼はもう一度、ゆっくりと相手の方を見下ろします。
そこにはやはり見覚えのある女がいました。
彼が思わず彼女の手を掴むと、驚いた事に彼女はそのまま彼を引き止めました。
「離して!」
彼は慌てて手を引っ込めて離れました。
しかし彼女は少しも気にしない様子で立ちあがると、彼の顔をじろりと眺めると、何も言わずにまた彼の前に立ちふさがりました。
彼はしばらく彼女を無言のまま見上げていましたが 突然大きな声で言いました。
「君にはチェルシーが、どういう風に見える?」
「え?」
「チェルシーだよ」
「えっと可愛いと思うけど。
でもあの子は」
「チェルシーはね、あの子と仲が良い。
僕はあの子達と、いつも一緒に居るんだ。
でも僕はまだ彼女の気持ちが分からない」
「どういう意味?」
「チェルシーにとってあの子がどういう存在なのか、僕にもわからない。
君は知っているかい?」
そう言うと、マルコは彼女に質問します。
しかし、彼女は黙ったままでした。
彼の方を見ると、彼は悲しそうな表情で彼女のことを見つめています。
チェルシーは、彼女の目の中にある悲しみの色に気付く事は出来ませんでした。
それは自分への嫉妬から来ているものだと分かっていたのなら、彼女はきっとマルコの目を見ることが出来たはずでした。
チェルシーは何も言わずに去って行きました。
彼女が通り過ぎる時、彼女が身につけていた香りが微かに彼の鼻をくすぐったのを感じました。
彼の目の前にいた女性はその後姿を見て、微笑みます。
そして、彼女もまたその場から静かに消え去りました。
「私はチェルシーと、どんな風に思われてるのかな?」一人きりになった彼女は、ぽつりと言いました。
「そういえば私も、そう」2章 ◆レナードの場合◆ 夜になってマルコとチェルシーが寝静まった頃、テイラー・ヘンリーとレイナが、それぞれ別の部屋から出て来ました。
彼らはこっそりと、自分達が出てきた部屋に戻る事無くそのまま屋敷の外に向かいます。
「どうしたんだい、こんな時間に散歩か?」
レナードの声がしたので彼らが振り向くと、彼は二人に向かって笑顔で手を振っていました。
しかし彼らの方は彼の顔をちらりと見ると何も答えずに黙っています。
その様子を見て彼は苦笑いを浮かべました。
それから自分の隣にいるレイナに小声で「こいつらがどうして怒っているのか分かるか?」と言うのでした。
するとレイナは小さな声を漏らしながらクスリと笑ってしまいます。
そんな様子に気付いたのでしょう、二人が顔を上げると、今度はテイラーが、彼にこう聞きました。
「俺達の事を、チェルシー姫に伝えなくていいんですか?」
それを聞いて、レイナは自分の口を押さえて黙っていようかと思ったようでしたが、テイラーは、
「今朝も、俺達はこの事で話し合っていたんですよ」と続けると、「貴方は」と、レイナが何かを言いかけた時、
「大丈夫だ。
あいつに、余計な心配をかける必要はない」
と、レナードは二人の言葉を遮るように言いました。
テイラーはじっと彼を見ました。
しかし、それ以上は追及しようとはせずに、
「分かりました。
じゃあ、さようならを」
と言った後で、彼は付け足しました。
「おやすみなさい」◆ それからしばらく経っての事です。
マルコ達がぐっすり眠っていると、窓の外に誰かがいる気配がして目が覚めました。
二人は顔を合わせて首を傾げます。
カーテンを開けるとそこには黒いローブを纏った人影が見えます。
マルコがその人の肩に手をかけようとした瞬間、その人は素早く横へ飛びました。
マルコの手はその腕を掴んだのですがその時、相手から、鋭い刃のようなもので斬りつけられます。
そして、次の攻撃が来るより先に 突然、雷のような音が鳴り響きました。
驚いた二人は、お互いに寄り添うようにして倒れます。
マルコが目を開けようとすると、再び同じ音と共に強い光が輝きます。
しかし、先ほどよりも激しい音だったせいか光は一瞬だけです。
何が起こったんだ? 彼が恐る恐る外の様子を窺おうとするとその時にはもう、その黒い姿の者の姿は無く、そこには大きなコウモリが何匹もいるだけなのでした。
い3章 マルコが目覚めた頃には既に夕方で、空には一番星が出ていました。
彼が慌てて起き上がると同時にドアが開き、中に入って来たのは彼の執事であるテイラー・ヘンリーだったのですが彼はマルコの顔を見るとすぐに駆け寄ってきてベッドの端の方に身を屈めるとマルコのことを心配そうな目で見つめました。
マルコが自分の身に起こった出来事を話すと テイラーはマルコの話を聞き終わるとホッとした表情になり、それからゆっくりと立ちあがりました。
「申し訳ありませんが、少しの間、チェルシー様を預からせていただきたいのです」
そう言うと、マルコは慌てながら「え!?︎ それは」
と口籠りましたが、彼は構わず続けて言いました。
「チェルシー姫に危害を加えるわけではありませんし、ご迷惑をおかけすることもないと思います。
お願いします!」
「わ、分かったよ。
チェルシーはどこに行くんだい?」
マルコが答えると彼は「ありがとうございます!姫は、私の知り合いの所へ行かれるはずですよ」と言ってから マルコに、
「私は今から急いで出かけて参ります。
今夜中には帰りますので、どうかそれまで大人しくしていて下さいね」と言いました。
それからもう一度「くれぐれも無理をなさらず」と付け加えます。
するとマルコが返事をするより前に、 廊下から彼女の声が聞こえてきました。
それはチェルシーの声で
「私、ちょっと出てくるわ」とそして、「お土産を買ってくるから楽しみにしててよね。
あと、今日は早く帰るように頑張るつもりだけど、もしも遅くなりそうだって言ったら、マルコに伝えてくれるかしら?」とテイラーに向かって言います。
彼女はその後でマルコの方に顔を向け「じゃあ、行ってきます」と言うとそのまま部屋から出て行くのでした。
彼女が出て行った後にマルコが再びテイラーに向かって口を開こうとすると
「私には何も仰らないでください。
姫のことはお任せを」と言いました。
彼は頭を下げると急いでその場を離れようとしましたが、マルコに名前を呼ばれ彼は足を止めて振り返ると彼の方を見ました。
「君に言われた通り、今はゆっくりしている事にしたから気をつけて帰って来るんだよ」
テイラーは笑顔になると「承知致しました」と答えてから再び頭を下げ、そして、急いで部屋の外に出て行きました。
テイラーがいなくなるとマルコは再びベッドに戻り、天井を見ながらぼんやりと考え事をし始めました。
僕が寝ている間、チェルシーがテイラーと何を話していたのか気になるけど。
テイラーなら信用出来るし。
◆テイラー・ヘンリーの場合(テイラー視点)
テイラーが屋敷を出てしばらく経った頃です。
テイラーはある目的地へ向かって馬を走らせていました。
辺りは薄暗く、風は冷たくなっていましたが彼はそんな事など全く気にする事もなく 一刻も早い主人の安否確認のために急いだのですが、途中の森に差し掛かる手前までやって来るとさすがに寒さで身体中に鳥肌が立ちました。
そこで彼は馬の脚を緩めましたが、それでも少しでもスピードを上げて走らせようとして、 突然、森の中から飛び出して来た人物を見て思わず驚きの声をあげます。
その人物は彼よりも背が高いので、暗闇の中でもその姿が良く見えました。
彼は馬を降りると、その人に近付いて「どうしてここにいらっしゃったんですか!?︎」と声を掛けました。
相手もその言葉でハッと我に返った様子です。
そして、テイラーの顔を見るや「お前こそ!」と驚いたような口調で答えたのです。
その言葉に驚いているとその人は続けて言いました。
「どうしてお前がこんなところに?」その問い掛けに、彼が慌てて答えると相手はしばらく沈黙したまま考え込んでいるようでしたが、 それからしばらくして「まぁいい。
ちょうど良かった。
実は人を探してここまで来たのだが、俺はその人のところまでの道順をよく知らないんだ。
もし知っていたのなら教えてくれないか?頼む。
助けると思ってな」と言いました。
それを聞いてテイラーはすぐに、自分がその人を案内するためにここに来たのだということを察して、
「分かりました。
ご安心ください」と言って相手の手をそっと取りながら 彼は主人の元へ行くために、暗い森の道を再び走り始めるのでした。
チェルシーはベッドの上で上半身を起こすと「あれ!?︎」と呟きました。
おかしいわね、昨日は確かテイラーさんが私の側にいたはずなのに。
彼女はキョロキョロと周りを見回してからもう一度「変だな」と口に出して首を傾げています。
でもまあいいわ。
きっと彼が上手くやってくれたに違いないし!そう思うことにしたのですが、彼女が何となく視線を窓の方に移すとカーテンの向こうには黒い空が広がっていて。
その時、外から物音が聞こえてきて。
何かしら、と思いながらチェルシーはゆっくりと起き上がり。
そして、窓から外の様子を覗き込みます。
するとそこには一人の見知らぬ女性が立っていたのです。
え!?︎ どういうことかしら? 一体、誰、あっ! この人は!!︎私、知っているわ!以前本で見たことがあるもの えーと、名前は。
あ、そうだわ! 私、この人と会うために今頑張っているんじゃない 思い出せて良かった〜、などと呑気に思っている場合ではありません。
チェルシーは急いで扉に向かいますが鍵がかかっていることに気付くと、彼女はすぐに窓に向かって歩いて行ってそこから外に飛び降りようとしました。
しかし、どう考えてもここは三階なので彼女は慌てて部屋に戻ってクローゼットからコートを取り出そうとします。
それからそれを着終わる頃には息も切れていたのですが、彼女は自分の姿をもう一度見ると今度は部屋のドアに向かって歩きます。
するとそこにあるテーブルの上に置かれていた紙に気付き手に取ってみました。
彼女は書かれている文字を読み終えると目を閉じて深く溜息をつきますが次の瞬間、目を大きく見開いてから慌てて紙を置きます。
そして部屋を出る前に窓の方に駆け寄りますがそこに先程の女性の姿が見当たらないことに安堵の表情を浮かべました。
そして再び大きく深呼吸をして心を落ち着けると、今度は落ち着いて階段を下って行くのですが、 玄関までやって来るとまた別の不安に苛まれて足を止めました。
え!?︎待ってよ。
もしかするとマルコはもう起きているかもしれないけど、あの人はまだ眠っているかもしれないし。
私が帰って来た時に彼が起きたばかりだったりしたら絶対に迷惑かけちゃうじゃない。
だから、やっぱりこのまま家に帰った方がいいのかしら。
いやいや、ちょっと落ち着きなさい、私ったら。
とりあえず中に入って彼の様子を見てから考えるべきだし、第一まだ何も決まっていないわけだし、まずは彼に挨拶をしないと と、そこで後ろのドアの開く音がしたので振り返ると、 えぇ!?︎まさかマルコも目が覚めたっていうの、いえ、もしかするとさっきの女の人が戻ってきたという可能性も と、チェルシーは思わず一歩後ろに下がって身構えますが。
現れた人影は彼女よりも遥かに小さく そしてよく知る人物のようでした。
僕はその人に会えたことが嬉しくて、笑顔になると思わず両手を広げながらその人に近づいて行ったんだけど 彼女はその腕の中にスッポリと収まって。
僕が彼女の身体をギュッと抱きしめると、その人も僕の背中に腕を回してくれた。
そしてしばらくの間、お互いに抱き合っていたらやがてその人は僕の胸に額を当てたままで静かに呟くように口を開いたんだ。
ねぇ。
マルコはこれからずっと私の傍にいてくれるんでしょう?だとしたら、私は貴方が望むことを全部受け入れたいと思うわ。
それがどんな事であってもきっと。
そう言ってくれる彼女に僕は胸の奥がじんわり温かくなって、心の中でありがとうと感謝をしながら、もう一度その人の顔を優しく見下ろしたんだ。
そんな僕らの様子を不思議そうな顔で見ていたその子だけど でも何故か突然笑い出してうん。
もちろんだよ。
と、言いかけた僕の唇にそっと指先で触れてきたからつい驚いて口を閉ざしてしまうと、その人はクスクスと笑っていたんだけど。
それでも、まるで小さな子どもを相手にするように何度も頭を撫でてくると最後には僕の両頬に手を添えて微笑むようにしてこう言ってきたんだ。
でも、約束して欲しい事があるんだけど。
もし、私が何か嫌な思いをするようなことを言われたとしても、我慢するなんて言わないで欲しいの。
それに無理矢理言う事を聞かせようとする相手が現れた時は、遠慮せずにちゃんと私のところに来て。
そうじゃないと私も心配になるからね?そうして僕が小さく首肯をすると、チェルシーはその答えを聞いて安心をしたらしくて、今度は満面の笑顔を見せてくれた後ゆっくりと僕の手を握りながら家の中へ連れていってくれて、 その後は二人で一緒に朝ごはんを作ってみんなと一緒に美味しいご飯を食べてからそれぞれがそれぞれの仕事に取りかかることにした。
テイラー君はいつも通り僕の世話をしてくれようとしたみたいだったけど、昨日の今日だったので申し訳なく思いながらも断ったら彼は少し寂しそうな表情をしていたから、あとからこっそりお菓子を差し入れしようかな?などと考えている間に仕事の準備が完了したので外に出てみる事にした。
玄関の扉を開けると同時に冷たい空気が入り込んでくるとそれに乗ってどこか懐かしいような甘い匂いが漂ってくる。
あ、この香り。
それは以前 母さんが作ってくれていたケーキに使われていたものと同じ?と、気が付いた瞬間、頭に浮かんできたのはこの前の出来事だったんだけど。
えーと、 もしかしたら、この辺りに住んでいるのかしら などと思いながら周りを見渡してみるとちょうど向こうから一人の女の子が歩いて来るところで、
「おはようございます。
お姫様」
と、僕が声をかけるとその子もまた驚いたようで。
「まぁ!マルコったらもう来てくださったのですね?」え?も、もう?って、一体何の事だろう、と、一瞬考えてしまうもすぐに思い出すと慌てて僕は口を開く。
「ごめんなさい。
えっともしかすると僕が来るのはもう少し遅くなると思われていたのですか?確かに、今まで一人で暮らしていて自分のことは全て自分でしていたものですから」という事でしたか。
と納得している彼女の様子からは本当に気にしていないように見えたのだけど。
と、その時彼女は僕の左手を取るとその掌の上に一枚の紙を乗っけてくれてえ!?︎こ、これはもしかすると、と、思わず期待をしてしまったんだけど。
でもその期待はどうやら空振りになってしまったようだった。
というのもその紙に書かれた文章を読んだ途端、僕は一気に肩を落としてしまいその様子を目にしたその子は慌てた素振りを見せるのだけど僕は構わずに、ただ黙々と作業を続けていきました。
そして最後に、その手紙を読み返してから丁寧に折り畳み鞄に入れて、さてと、次は何をしましょう?と考える事数分、そういえば僕はチェルシー先生が今何処でどんな生活をされているのか知らないことに気が付きますが、とりあえずは彼女が帰ってくるまでの間、出来る限りの事をしようと決意をするなり家の中に入っていくと早速台所で作業をする事にした。
それからしばらくした後。
トン、トン。
と、何かを切る音と、そして時折聞こえてくる鼻歌に耳を傾けつつテーブルの上で野菜の下処理を行っていたんだけど不意にその音が止まると。
続いて今度は何だかもの凄く嬉しげな様子で誰かが近づいてくる足音を耳にしたから、ふぅ。
ようやく帰ってきたかしらと思って視線を向けるもそこには誰もいなくて不思議に思っていると再びこちらに向かって近付いてくる足音。
でも今度は何故かその足取りは軽やかなものではなくどちらかと言うと重たい感じがしたので、何だろうと様子を見ている内に姿を現したのは彼女ではなくてテイラー君だったので僕はつい苦笑いを浮かべてしまうのだけど。
そんな事は御構い無しといった調子で僕の傍にやって来た彼は無言のまま僕の手元を見下ろしてきたから、その意図するところが理解出来たので一旦手を止めて口を開いてみた。
ねぇ、テイラー君はチェルシー、いや、チェルシー姫のお付きの人なんだよね?だとしたら、今の僕が置かれている状況とか知ってるのかな?「はい。
ですから私が代わりにやっておきますと言ったではありませんか」ん?あれ?でも、じゃあ何でチェルシーがここに居るはずなのに居なかったんだろう、それにどうしてあんなに嬉しそうな表情を、あ、そっか。
だからきっと、さっき僕のところにわざわざやってきたのは
『私は大丈夫なので心配しないで欲しい』
って伝えようとしたのかな? そう思って僕は笑顔で彼に応えると、そのまま仕事に戻ることにする。
でも次の瞬間テイラー君は何故かため息を吐き出したかと思うと頭を横に振るから?どうかしたの???と尋ねるようにして小首を傾げてみると。
「はぁ〜。
いえ別に何でもありません」
と言われてしまった。
??? よくわからないけど。
その後は再び二人で一緒に朝ごはんを作って食べてから、それぞれの仕事に取りかかることにしたんだけど。
でもテイラー君の方は僕の方を手伝うと言い出してくれたものの、まだ少し時間があったからそれを断って一人で作業を進めていく。。
あ、でもその前にテイラー君はいつもチェルシーさんにしていたみたいに世話をしてきそうな様子だったんだけど、僕が昨日の約束を思い出しながらちゃんと断ったらすごく残念がっていた。
でもそのあと改めて一人になった事で作業に集中していると不意に声をかけられたから、そちらの方へと顔を上げると目の前には僕より身長の低い可愛らしい女の子。
えっと、確か
「こんにちはお姫様。
えぇと、先日ぶりですね?」
というと彼女は目を輝かせて僕の方に一歩近づいてくる。
え? な、何だろう?? そう思いながらも彼女が次にどんな行動をしてくるのだろうかと思っていると。
なんと僕に向かって両手を広げてきたのだ。
それはまるで抱きしめてくれる?というような仕草だったので僕は戸惑いつつも彼女の体を軽くハグすると、途端に彼女は満面の笑みを浮かべたので僕は内心とても安堵したのです。
でもすぐに彼女は名残惜しそうにして離れていったからちょっと残念でしたがま、また会えるのだし。
でもそれからしばらくの間、僕はチェルシーと一緒に暮らすことになったんだけど彼女は本当に元気になったみたいで毎日が楽しそうだから僕はほっとしているよ。
うん。
ただ時々寝ている間にうなされてたりする時もあるんだけどどうやらあの夢を見るのは今でも変わっていないみたいでそういう時の対処法は今のところないみたいだから困っているんだよ。
だって。
(マルコ。
私、もう貴方と離れて生きるなんて出来ない。
お願い!私の傍にずっといて!!)という風に言われたからね。
え? どうしたの?そんな真剣になって聞いて。
もしかして、何かまずい事を言ったかな?ん?何だか顔を真っ赤にしているけれど、どうしたのかな?まぁ、でも。
とりあえず僕の話はこれで終わりだよ。
え?チェルシーの話が聞きたい?ん?チェルシーの話、って。
それじゃあ次は君達の番だからよろしく頼むね。
「「え?!」」っ!!?こ、ここはどこだ?俺はいったい何を。
「あ、気がついたんですね先輩。
よかった。

「せ、聖女さま。
ここは一体。

辺りを見渡すと見た事の無い風景が広がっているが見覚えのある女性がいる事から自分が今何処にいるのか理解することが出来た俺だったが。
それよりも何故俺はこんなところに連れて来られているんだ?と不思議に思うのだが、今はそんなことを考えている余裕は無いようだ。
何しろいつまでたっても収まる気配を見せない地震が襲ってきているから。
だが、そんな揺れの中にもかかわらず平然としているこの女性がおかしいと思うのだが。
そもそも何故、彼女は俺が目が覚めるまでそばに居てくれていたのだろうか?それに何故ここにつれて来られたのかという事も謎だ。
ん?待てよ?そういえば先程まで見ていた光景の中で最後に聖女様らしき少女が現れていたな? だとしたらこれは。
ははは。
なるほどな。
どうやらようやく全てが解決したというわけか。
全く。
俺は最後まで聖女の掌の上で転がされ続けていただけだったという訳か。
まぁいいさ。
おかげでこうして救われたのだからな。
後は彼女に任せるとしようか。
俺はゆっくりと瞳を閉じることにした。
・・・・・・・
「はぁ良かった、何とか無事に終わったようですね。

そう言って私は思わずその場にへたり込んでしまいました。
何度見ても慣れる事のない地震を目の前で見ているうちに不安に押しつぶされそうになったのが原因ですがまさか私が体験することになるとは思いませんでした『おいおい?!どういうことだ?!?』
『なぁ?!なんだったんださっきのは?!』
『わかんねぇよ!!』
『それより外の様子はどうなってるんだ??』
突然のことに周りの人達が混乱しているのを見ながら私は立ち上がると大きく深呼吸をして気持ちを整えると。
「皆さん!!安心してください!!!」
そう大きな声で叫ぶようにしながら皆に向かって話しかけます。
そのおかげもあってか次第に落ち着いてきたのか先程よりもパニックにならなくなったみたいですが。
「あ、ありがとうございます」と感謝された後、私は話を続けていきます。
そして。
・・・それから数分後。
ようやく落ち着きを取り戻し始めた頃に、私は再び口を開き始めました。
「先程、地震が起こり始めてしばらくしてからですけど。
マルコさん達が無事に元の世界へと帰って行きました。
だから大丈夫ですよ。
もう。

そう話す私の声は震えていました。
だってそうじゃないですか。
やっと会えたと思った相手がまた遠くに行ってしまったんですよ? しかも今度は二度とこちらに戻って来ることはない。
そんな事実を前にしたら悲しくならない筈がないでしょうに。
でもいつまでも落ち込んでいる場合ではないので、改めて周りを見てみれば皆の顔が先程とは違い明るい表情になっていることを確認することが出来ました。
その様子からどうやら私の説得がうまく効いたようでしたのでほっと胸を撫で下ろしている最中。
ある声によってかき消されることになりましたが。
でもそれも当然の報いなのかもしれませんね。
なにせ私の話を遮ったのは他ならぬこの国の王様であるアルヴィン様なのですから。
本当に何しに来たんでしょうかねあの人。
私達はあなた達の為に頑張ったと言うのにそれを何も言わずに無視して、ただひたすら傍観するなんて、私には信じられなかったからつい叫んでしまうのも無理はないと思いません? だって私怒っているんですもの。
自分達は何もしなかったくせによくもあんなことが言えたものね。
なんて思った私は間違っていない筈よね?
「貴様!!黙って聞いいれば勝手な事をベラベラと話しおって!!!!そもそもなんだ?さっきの話は、あれが本当だという証拠があるのだろうな?」はい??今この男はなんと言ったのかしら?証拠?そんなのあるはずないじゃありませんか。
それによく考えて欲しい。
いえ? 考える必要も無い事なんだけど。
仮にも貴方はこの世界の王なんですよ??なのに自分の国がこんなことになっているというのに見過ごすような真似をするでしょうか?しないです。
絶対に。
つまり答えはこれ。
ーー断じてありえない。
というわけなんですけど。
それにも関わらずそんなことを言うとは。
一体何がしたいのでしょうか?正直理解に苦しみますよ?まぁ今は何を言ったところで信じてくれるかどうかすらわからないので一旦保留としておきましょう。
そう考えた私は一呼吸した後。
再度話し出すことになりました。
『な、なぁ?今聞こえた言葉はどういう意味だ?』そう口にした男の人は確かこの城の騎士団団長を務めている人物だったはず。
そんな人がいきなりこんな事を口に出すだなんて思いませんでしたよ。
全く。
余計な事は言わないでくださいよ。
これでも結構必死にやってたというのに。
それにこれ以上騒ぎになったら収拾がつかなくなりそうですし。
だからといって嘘をつくのはよくありません。
なので。
仕方がありません。
本当の事を少しだけ教えてあげることにしましょう。
そう決めた私は覚悟を決めると口を開くことにした。
本当はもう少し早くこうしておくべきだったのですが。
流石にあそこまでやられるといくらなんでもやり過ぎだと思いましたので。
というわけなんですが。
まず始めに説明しますと
・・・
・・・
・・・・
・・・・・・ といった感じの事を話すことになりまして。
話を終える頃には先程とは違ってすっかり静かになっていましたが。
これでようやく終わるかと思った時でした。
「おい待て!まだ俺の話は終わってねぇぞ!?」「そうだなこのまま放り投げるというのはあまりにも酷いのではないだろうか?せめて謝罪の言葉くらいは聞かせてもらいたいものだ。

と、今まで沈黙していた二人が声をあげ始めてしまいました。
「はい?今なんと言いましたか?謝罪?私が?」
まさかの発言のせいでついつい変な声で返事をしてしまいました。
えぇ確かにその可能性を考えていなかったわけではないですよ?でもですね?私は別に謝ってほしいと思って行動をしたつもりはないんですよ。
だってこれはあくまでも善意であって悪意は無い訳ですから。
だから何故このような反応を示すのかが全くわかりません。
という事でここは。
一度話し合いをしませんか?と提案をしてみる事にしました。
すると。
「今さら話し合うだと? 我が国を破壊した奴とか?」
取り付く島もありません。
ですが腑に落ちないので対話に努めましたが。
今度はレナードさんから突っかかってきたので破談になりました。
もうこうなると笑うしかありませんね。
こんな理不尽ってありですか?
常軌を逸した事態におろおろしているのに全否定するなんて。
この人たち本物のバカでしょう。
私は善意で助けようとしているのに。
もうどうなろうと知った事ではありません。
だいたい私が何をしたというのですか。
考えるだけ無駄です。
私はとどめの一言を申しました。
『では、お二人とも。
死んで頂けませんかね?』
それは死刑宣告だったそうです。
それはまるで悪魔のような笑顔を浮かべているかのような言葉だったそうな。
そして次の瞬間。
二人は何かに吸い寄せられるようにその場から一瞬の内に姿を消した。
その後、この世界は救われたのだが誰一人として、この結末を迎える事が出来なかった事を悔やんだ者はいない。
ただ、その場に居合わせていた者達の中には後に語る事になるだろう。
この出来事だけは歴史に深く刻まれる事だろうっと。
だがしかし。
この時誰も予想していなかった事があった。
それこそがこの物語の終わりであり。
新たなる物語の始まりでもあったのだ。
あれれ?可笑しいですねぇ。
本来であれば今すぐにでも終わらせようとしていたというのに。
一体どうしてなのでしょうか?何でか分かりませんが全然終わらないんですけども。
何なんでしょうかね。
これははぁ。
そういえばこの物語が終わった時点で私の願いが叶うはずなんですけど。
でもあの人(?)は約束通り助けてくれなかったようですしまぁ別にいいと言えばそれで終わりなのですが一応は確認してみましょう。
うん。
やはりおかしいですね。
何故こんなにも時間がかかっているのですか?しかもまだ続いているような気がしますよ?いえ気ではなく確実に続いているみたいですね。
一体どういうことでしょう?と私が疑問に思っていると何処かで見た事がある画面が出てきましたよ。
【あなたが選択した物語がまだ続きをご所望してます】は? ちょっと待ってください。
まだ続けるんですか? 勘弁してくださいよ。
それにしてもこの選択肢は何なのでしょうか? まぁどうせロクでもないものですよね。
そもそも私の選択したことじゃないのですから。
そう思うと適当に選んでしまいました。
結果、私はまた別の世界に飛ばされることになりました。
まぁ、今回も何とかなりそうですけどね。
こうして私の冒険の旅はまだまだ続くのでした。
めでたしめでたし。
・・・
・・・
・・・
「ちょっと待ちなさいよ! まだ話は終わっていないわ!」
「そうだ! 貴様が勝手に話を締めようとするんじゃない! ちゃんと説明してもらおうじゃないか! 一体お前が何をしたのかを!!」
「・・・はい?」
えーと。
はい。
どういうことでしょうか? この方達は一体何を言っているのでしょう? というか、さっきから煩いなと思っていたんですが。
まさかそんな事を言われるとは思いませんでした。
「そうですよ! 私達には知る権利があると思います! ですので説明してもらいましょうか!」
「そうだ! 俺達には全てを知る義務がある! だから教えろ! 一体どんな手品を使ってあいつらを消したのかを! もしや魔法を使ったわけでもあるまい?」
「あ、ああそうだな。
確かにその可能性はあるな。
という事はつまり、お前がやったということなのか?」
「え、えぇ?い、いや違いますけど。

「じゃあどうやって消し去ったっていうの?」
「そ、それは・・・」
「・・・言えないというのなら仕方がないな。
では質問を変えさせてもらおう。
何故あんな事をした? あれは流石にやりすぎではないのか?」
「そうですね。
私も同感です。
理由もなく破壊するのはどうかと思うのですが?」
「別にいいではありませんか。
貴方達がどう思おうと勝手でしょ? それに、私が何をしようと私の自由ですからね。
だから文句を言われても困りますね。
というかもういい加減にしてほしいものですよ。
本当に面倒くさい。
いいですか? 私は別に貴方達の事を助けようとしたわけではないんですよ。
ただ単に邪魔だっただけです。
ですのでお気になさらずにどうぞお帰り下さい。
それと、私はこの世界を救うつもりはありませんから。
それでは失礼致します。
【空間移動】
ふぅ、やっと帰ってくれましたね。
全くあの人達は。
どうしてこうもしつこいのでしょうか? もういい加減にして欲しいものです。
そういえば、今回の物語で色々と分かった事があります。
それは、物語というものは、とても残酷であるという事です。
私は今回、沢山の物語を見てきました。
その結果、思ったことはただ一つ。
どの物語の主人公やヒロインは、皆幸せになっていました。
なのに何故、彼等は報われないのでしょう? 私が見ている限りだと、全ての物語で主人公やその仲間達は幸せな結末を迎えているはずです。
でも何故か誰も幸せになっていないような気がします。
何故でしょうか? もしかしたら、物語の主人公は全員では無いのかもしれませんね。
でもそれならば、どうして物語の世界は続いているのでしょうか? 不思議でなりません。
まぁ、私は考えるのが苦手なのであまり深く考えないようにしていますけどね。
ですが、これから先も物語は続いていく。
そして、物語を見続けるというのであれば、いつかきっと分かる時が来るはずです。
その時まで、私は見届けるとしましょう。
それが私の役目ですからね。
皆さんこんにちは。。
今回は私が今まで経験してきた中で、最も衝撃的だったことをお話ししたいと思います。
あれは私が子供の頃のお話になります。
当時私は小学校に通いながら日々を過ごしていました。
そんなある日の事原爆が落ちて
私は死にました。
おわり。
そうです。
私はその時死んでしまったのです。
ですが、私はその後、神様に会いました。
そこで私は転生して新しい人生を歩むことになりました。
ちなみに、私を転生させたのは女神様らしいです。
最初はそんな事をされても正直嫌でしたが、まぁ、おしまい。


 
挿絵


●あとがきここまで読んでくださった読者のみなさんへ ありがとうございます。
いかかでしたでしょうか? 楽しんで頂けたのなら幸いです。
また、この小説を読んで何かしら感じてくれたのでしたら嬉しい限りです。
実は、この作品を書くきっかけになった出来事がありまして、それは、

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