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「もう新入生クエストの内容はもらったか?」
「あ、はい。えと…ヨハネの谷の妖獣ゴーネの角10㎏持ち帰る事こと…だそうです」
「そういや、教官が外れであり当たりだって言ってたな」
クエストの内容を聞き、ゼロはなるほど…と頷く。
「はずれだってのは、初クエストに対する難易度についてだろう。ゴーネは妖獣だから、魔法耐性があり、中級クラスの魔法が必須になる。
難易度が高い分外れであり、クエストをクリアした際の評価の高さが当たりという部分なんだろうな」
「んーそれもあるんだけどさ、パーティについても言われたんだよ。さっきカレン先輩から自然にメンバーはこうなるって聞いたけどさ」
その言葉にフッと笑い、ゼロは3人から離れる。
「それは先輩たち3人についてだね。
あの3人オレ様最強だから、クエスト一緒に行ったらすごく勉強になるよ。
外れってのは振り回されることだね。こっちについても常識を逸してるよ。特にモノだね。
まぁ、特待生って言っても、まだ幼いから仕方ないっちゃ仕方ないんだけどさ」
そんな話をしていると、マグナがこっちに来てくれと4人を呼び寄せた。
「お前ら、これから1年間よろしくな。新入生クエストはヨハネの谷だ。週明けからクエストにはいる。
ヨハネまではゼロの転移で行くとして、その準備期間と街から谷に向かうまでは、ユキハとトウヤの特訓に充てる」
「ゴーネは妖獣の一角だ。魔法以外は効果が無いし、その魔法にも耐性があり、中級魔法以下は話にならない。
それに、今後のことを考えてもお前らは中級魔法ぐらいはいち早く使えるようになるべきだ」
その言葉にユキハは黙り込んでうつむいてしまうと、ゼロはユキハの気持ちを察したのか、頭をそっと撫でる。
「心配ない、大丈夫だ」
「クエストのための準備だけはちゃんとしといてくれよな。
特に、ユキハとトウヤだが、何か不安なこととかあったら気軽に連絡しなさいな!」
マグナが2人の頭をガシガシと撫でると、『じゃ、月曜日』と言い、3人は去って行った。
「悪い先輩たちじゃないんだけどね…また明日!」
カレンがそう言うと残された4人もまた解散していった。