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「スッスゲェ…あれ、魔法なしってことは武術だけなんだよな?」
「あれでも、モノは手を抜いてるんだぞ?本気になったらアイツも参加者にも練習にならないからな。
あえてギリギリを攻めるように言っている。
でも、俺たち特待生にはあれぐらいは軽く求められるんだぞ。
ま、お兄さんに任せなさい」
そうマグナが2人の背中を叩くと、領域が解けて消滅し、悔しがる学生20人程と、モノが現れた。
「おーっと!今回はクリア者なしだぁ!でもみんな、このイベント以外にも出店とか楽しみはいっぱいあるからな!今日の祭りを楽しんでな!」
マグナがそう言いイベントを閉めると、マグナ・ゼロ・モノは去って行った。
「な、なんか台風みたいだったな…」
「う、うん…すごかったね…。でも、今日だけは楽しもうよ」
トウヤは頷くと、2人も屋台街へと消えていった。
今思えばここでの出会いが全ての始まりだった。
ここから始まる物語。
私とあなた、そして彼との物語ーー