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 第1話  【エスの病 其の1】

 せかへい 外伝27


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第1話
 【エスの病 其の1】




 俺の名前はエス。サージュ村で門番をやっている。村人だ。



 俺は今ちょっとした病にかかっている。それは…………恋の病だーー!!



 俺は仕事を終えると、汗を流すために村にある銭湯に向かう。



 扉を開けると、まだ夕方よりも前だからか、人は少ない。そんな入り口を掃除している少女。



 緑髪の肩まである髪を縛り、邪魔にならないようにしてせっせと働いている。彼女の名前はカナー・エリア。この銭湯の経営者の娘であり、エスの友人でもある。



 お客さんが来たとカナーは元気よく挨拶をするが、エスだと気づいたら声が徐々に小さくなった。



「いらっしゃあ〜〜、ってエスか」



 カナーがエスを見る目はまるでゴミを見るかのような目である。そんな目で見られたエスは身体を震わせる。



「うちに来ないで、冷水でも浴びれば良いのに」



 カナーの追い討ちにエスは湧き上がる感情を止められなくなった。



 エスはカナーの前で土下座する。



「付き合ってくれ!」



「やだ」



 エスはそんな会話をした後、銭湯に入る。温かいお湯で冷えた身体を温める。そして門番の仕事での汗を流した。



 お湯に浸かっていると、扉が開いルンバが現れた。



「よ! エス」



「おう、お前も来たのか!」



 エスは仕事帰りだが、ルンバはこれから仕事らしい。仕事の前に一度身体を流しに来たのだ。



「なぁ、ルンバ……」



「ん、なんだ?」



 ルンバが頭を泡立てながら洗っていると、エスがお湯に浸りながら喋りかけてくる。



「カナーの奴、俺のこと嫌いなのかなー?」



 それを聞いたルンバは少し考えた後、



「そういうことじゃないと思うぞ」



 そう答えた。ルンバは水を溜めておいた桶で頭の泡を流す。



「そうなのか?」



「カナーは人に合わせるのが得意だから。お前のノリに合わせてくれてるだけ」



「いや、それはまんまだろ」



「え……」



 ルンバは今度は石鹸を取って身体を洗い始める。



「ま、どうにか頑張ってみろよ。本気なんだろ?」



 ルンバがエスにそう聞くと、エスは頷く。



「そうだな。この気持ちは嘘じゃないな」



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 今回は日常回的なやつです。



 会話的にはルンバがそう考えてるってだけだから、カナーがどう思っているかは分かりません。実は嫌われてる?



 エスとルンバは基本的に二人で門番をしていることが多いですが、交代で行うこともあります。
 スケジュールはマティルが作ってる。





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