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 第8話  【雪山の温泉 其の8】

 せかへい 外伝21


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第8話
 【雪山の温泉 其の8】



 温泉を出たパトの部屋に集まり、しばらく雑談をした後、ご飯ができたと呼ばれた。



「どんなご飯か楽しみね!」



 カナーはそう言いながら廊下を歩く。



「ハイ、トテモ楽シミデス」



 ヤマブキは最初からこれが目的だ。頭の中にはご飯のことしかない。よほど食事が楽しみなのだろう。一番先頭を歩いている。



「飯食ったら寝る前にもう一回温泉入ろうぜ」



 エスはルンバにそう言うと、



「お、いいな」



 と返事をする。それを聞いていたエリスも、



「私もそうしようかしら」



 と便乗した。



「ヤマブキさん、行き過ぎ! こっちだぞ」



 廊下を進んで行き過ぎたヤマブキをパトが止める。食堂はこの角を曲がったところにある。



 いい匂いがしてくる。パト達がワクワクして進んでいると、



「キャーー!!」



 突然、食堂の方から悲鳴が聞こえた。



「なんだ……」



 みんなは動揺する。



「何かあったのかもしれない。急ごう」



 パトはそう言い急いで食堂に行く。その後ろをみんながついていくと……。



 食堂の入り口で赤い液体の上で倒れている女将さんの姿があった。



 近くには他の客がおり、温泉で出会ったマッチョの人と、その彼女らしき女の人がいた。さっきの悲鳴はこの女の人の悲鳴だったようだ。



 しかし、



「これ……もしかして…………」



 カナーが倒れている女将さんを見て言う。



「さ、殺人……」



 カナーはエスに借りていろんな本を読んだことがある。その中で推理ものの小説も読んだことがあり、そのシーンが頭に浮かんだ。



 悲鳴を聞きつけた他の客もやってくる。温泉に先に入っていた男の人と、それから少し遅れてスキンヘッドで女性の服を着た化粧まみれの男の人。



「おい、大丈夫か!!」



 マッチョの人が女将さんに近づこうとした時、カナーが止めた。



「待って、これは事件よ!! 下手に触らない方がいい!!」



 そう言ってマッチョの動きを止めた。



「事件……だと…………」



 その場にいる全員は衝撃を受ける。



 カナーは真面目な表情で言う。



「犯人はきっとこの中にいる!!」



 そう自慢げに言った。その時!!



 死体が動き出した。



「っ!?」



 その場の全員はびっくりする。そんな中、女将さんは立ち上がると、



「…………ケチャップ運びながら寝てた」



「紛らわしいことするな!!」



 女将さんは食事の時に自由に使っていいようにケチャップを運んでいる最中に寝てしまったようだ。



 そして倒れた時にケチャップを潰してしまい、ケチャップまみれの床の上で寝ていたらしい。



 カナーは恥ずかしそうに顔を隠した。




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