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ヘルメの実家にいった(後編)

ドアをノックすると、中から小さな女の子が出てきた。顔も似ているからヘルメの妹だろうか。
「こんにちは、君のお姉ちゃんの友達なんだけど、お母さんとかいるかな?」
ストラスは優しく声を掛けるとヘルメの妹は廊下を走り、リビングらしき場所に行った。
「お姉ちゃんが男連れてきた!!」
大声で言われたので、ストラスはすぐに「ヘルメの友達です!」と言った。
家の中に上がると、ヘルメの妹にリビングまで案内されリビングに向かった。
リビングにはヘルメの父親があぐらをかいて座っていて、その隣には母親が正座をして座っていた。
「お!君がストラス君にそれに左からモアくん、クレナちゃんか時々ヘルメの手紙で君たちの名前を見かけるよ。俺の名前はナルフだ」
父親の名はナルフと言い。体が大きくて怖そうに見えるが、とても優しい方だった。それに俺たちの名前まで知ってくれてる。
「ヘルメの母、リナと申します」
深々と下に頭を下げ、礼儀の正しい方だった。
「すみません、急にお邪魔なんかしてもらって、あとヘルメが毒キノコを食べちゃったんでここに寝かせて毒を抜いても良いですか?」
ナルフは「あぁ、良いぞ」と言い、ストラスはヘルメを寝かせて、お腹に手を当て毒を抜き始めた。
「ストラス君は、回復術師だね」
「はい、これでも元々世界最強パーティーにいた者ですから」
世界最強パーティーにいたことを言ってしまったら、ヘルメの両親から質問が飛びかかってきた。
「君があの世界最強回復術師の?!」
「まぁ、そういう感じですね」
「どういう経緯で娘と出会ったんですか!?」
「森の中に倒れているのを助けたら……」
話しながら毒を抜き取っていると、ヘルメが起きた。
「あれ?お父さんにお母さんなんでここに?」
寝ぼけているのか、キョトンとしている。
「クレナの上で寝ちゃったんだよ」
「す、すみません!ストラスさん!」
ヘルメは何回もストラスにお辞儀をした後、ヘルメが父親と母親にストラスと会った経緯を説明しているときに、ヘルメのおばあちゃんのことを言った瞬間ナルフが机を叩いた。
「なんであんな奴と関わったんだ!関わるなと言ったはずだぞ!」
さっきまでの優しい感じとは関係なく鬼のような感じだった。
「そのときはストラスさんの家が分からなかったから、おばあちゃんに聞くしかなくて……」
「あの、なんでヘルメのおばあさんとは関わっちゃいけないんですか……?」
ストラスは勇気を振り絞ってナルフに質問をした。するとナルフはため息をつき質問に答えてくれた。
「あいつはヘルメがまだ小さい頃にヘルメを魔物にしようとしたんだ」
ナルフがそう言った瞬間部屋がものすごく静まりかえった。
「で、でも今は私に優しくしてるよ!!」
ヘルメは机を叩き立ち上がり大声で言った。
「それはな!お前を誘惑させるためだよ!」
ナルフも立ち上がり大声で言った。
「もう知らない!!みんな帰ろう!」
ヘルメは泣きそうな声で言った。
「待てよヘルメ!ほらクレナもモアも早く行くぞ!」
「あ、ありがとうございました!」
「まだ何も食べてないのだーー!」
クレナはドラゴンの姿になり3人を乗せて飛び立った。
ストラスはヘルメのことを横目で見ると、ヘルメは頬に涙を流していた。

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