バナー画像 お気に入り登録 応援する

文字の大きさ

 第2話  【ハロウィン討伐 其の2】

 せかへい 外伝6


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第2話
 【ハロウィン討伐 其の2】




 エスとマティルはカボトレントの元に向かう。



 カボトレントは、カボチャの部分の大きさは通常のカボチャと変わらないが、根っこの部分が以上に長い。



 カボトレントの根っこは地面に埋まっていて、目視はできないが、最大で三メートルほど伸びると言われている。



「これ以上近づくな」



 マティルはカボトレントから其の最大サイズの倍の数、六メートルほど距離を取って止まった。



 カボトレントは、その根っこを地面から操作して攻撃してくる。
 そのため接近戦による戦闘はお勧めされない。



「ここから俺が魔法で攻撃する。何かあれば、そこから援護を頼む」



 マティルはそう、エスに告げる。



 マティルは昔は王都に暮らしていたこともあり、それに王立魔法学園を卒業している。



 エリスと比べると、魔法使いとしての腕は低く感じてしまうが、それでも一流の魔法使いだった。



「はい!」



 エスは槍を構えて、何があっても対処できるようにする。



「大丈夫。すぐに終わる!」



 マティルの手に魔法陣が現れると、魔法計算を行い、炎の弾が現れる。



「一撃で終わらせる! 炎の弾(パルフラム)!!」



 マティルはその弾をカボトレントに向けて放った。



 カボトレントは炎に包まれて、苦しむ。



 トレントには炎系の魔法が有効だ。植物に擬態することにより、より燃えやすい素材になっていることが多い。



 だが、カボトレントもこのままでは終わらない。



 カボトレントは根っこをうねうねと動かすと、自身の元に集める。そして、地面から飛び上がった。



 トレントは植物を元にモンスターとなった魔素の集合体だとされやすいが、正確には違う。



 魔素は近くにある動物の性質を元に形となりモンスターとなる。
 そのため、植物が元とされることはない。



 かなり形は変わっているが、トレントの元は虫である。



 草木に擬態する虫の特徴を受け継いだモンスターであり、その擬態するという点を強調して生成されたのがトレンドとなるのだ。



 そのため根っこは地面に埋まっているが、移動する際には地面から抜いて足になる。



 トレントは足を使って飛び上がったのだ。



「まだやるか」


 マティルは再び魔法計算を行う。



 マティルの得意魔法は炎と風である。そしてその両方を合わせた必殺技。



「なら、俺の十八番で終わらせる」



 魔法陣はカボトレントの真下にある地面にも現れる。そして魔法計算が終わると、



「くらえ! 風炎」



 カボトレントを包む炎の竜巻が現れた。



 炎の竜巻はカボトレントを完全に消滅させた。



「お疲れ様です、マティルさん」



「いやいや、俺はお前がいたからこんな大技を撃てたんだ。こいつは時間がかかる。俺一人だと隙が多すぎてできなかったよ」




 こうして村にひっそりと訪れていた脅威は去ったのであった。





しおり