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「冗談じゃねぇーよ!!勝手なことをするな。
 頼んでもいないのに、勝手に父親の記憶を消すとか正気か……お前は!?」

  き、煌君……。
しかしセイ様は、無表情のままだった。

「……記憶を消す方が、この子のためになる。
 醜い復讐は、自分の身を滅ぼすだけだ。
こんな弱く小さい子が、キョウ様に勝てるはずもない。お前もな……」

 それだけ言うと行ってしまった。
煌君は、追いかけようとするが私は、必死に止めた。
 それ以上は、危険だからと……。

「くそっ……あの野郎」

「煌君……ダメだよ。それよりも、あの男の子を早く助けてあげて……」

 他の妖精達が見つかる前に逃げないと。
きっとセイ様は、キョウ様に知らせるだろうし。
 私は、焦りながら煌君に言う。

 煌君は、悔しそうな表情をするが、男の子のところに向かう。触ると息をしていた。
 あ、本当だ……生きている!!

 私は、ホッと胸を撫でおろした。
良かった……本当にセイ様は、殺していなかった。
 どうやら記憶を消しただけだったらしい。
しかし、そのような事が出来るとは驚きだ。

 すると煌君は、クマの男の子を抱っこすると立ち上がった。そして行こうとする。

「煌君。一度秘密基地で、この子を休めさせたら」

 そう煌君に言うが煌君は、背中を向けたまま
「やはり妖精族と獣族は、馴れ合えない。
 俺は、妖精族が嫌いだ!」と言ってきた。

「えっ……?」

「もう俺と関わるな。お前は、妖精族。
俺らの天敵だ!」

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