01
やっぱり妊娠だった。
私のお腹に課長との子供が居るんだ。
改めて妊娠だと分かると何とも言えない気持ちになった。
「それだけではありませんよ。これを見て下さい」
そう言うとイケメン医師は、エコーの写真を見せてくれた。
うん?何やら2つの形が見えた。
これが赤ちゃんなんだ。えっ?2つ……?
「これは、双子ですよ。分かりますか?」
まさかの言葉に私は、唖然とする。えっ双子!?
私のお腹に……2つの命が宿っているなんて……。
まさかの双子に自分でもどうしたらいいか戸惑ってしまった。
「あ、ありがとうございます。頑張って産みます」
ワケが分からずお礼を言ってしまった。
「アハハッ……そうですね。頑張って産みましょう。
僕も精一杯協力をしますので」
イケメン医師は、クスクスと笑いながらそう言ってくれた。
笑った顔も知的で素敵だわ……じゃなかった。
この事を課長にも話さなくちゃあ!!
私は、診察が終わると受付でお金を払う。
そして買い物を済ませて急いで自宅に帰った。
自宅に帰るとリビングにあるソファーに座り、すぐに課長にメールをした。
本当は、電話にしたかったのだけど仕事中だし、遠慮してメールにする。
『お仕事お疲れ様です。今日何時に帰れますか?
今日体調が悪くて早退して病院に行ってきました。
検査結果は、帰ったら報告します』と……。
これでいいかな?フフッ……課長どんな反応するかしら?
ちょっと驚かしちゃえ。
クスクスと笑いながらお腹を撫でた。
予定日は、来年の3月だと言っていたわ。
早く会いたい。どんな子かしら?
課長との子供だと考えると不思議で、より愛しいと思った。
さて、夕食を作らなくちゃあ!!
私は、そう思うとソファーから立ち上がった。
今日は、ご馳走にしょう……そう思いながら。
だが、しかし。途中で気持ち悪くなってしまい、ご馳走にするはずが、冷や麦になってしまった。
本当は、ご馳走してお祝いしたかったのに……。
胃がムカムカして匂いを嗅ぐだけでも吐きそうになる。
これが、世で言うつわりだと言うのだからお母さんは、大変だ……。