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3話

次の日の朝。


土曜日で仕事はなかったので、11時に目が覚めた。


夜寝れなかったから、こんな時間まで寝ちゃった。



まあ、いいか。



ミーくんが、早く飯をくれ、と泣いている。

ごめんね。


すぐにご飯をあげると、植えた獣のように食べだした。

しかも美味しいらしく、食べながらミャーミャー鳴いている。


可愛いんだから、こいつ。


洗面所に行って、顔を洗う。


歯を磨く。

そして、また彼のことを考えていることに気づく。


いけない、私ったら恋する中学生じゃあるまいし。





朝食作り。


パンをトーストにセットして

卵を2つ割って、目玉焼きに。

ベーコンも数枚、焼く。


焼きながら、彼のことを考えていた。



できた朝食を食べながら、テレビを見る。


でも、内容が頭に入ってこない。


ていうか、味もあまりわからない・・・・・・・!


なんとか、オレンジジュースで流し込む。







あかん、私、恋してる!!!!





どうしたらいいんだ!






そうだ、ミカコと話しよう!


さっそく、ミカコにLINE ビデオ通話。


「おはー」と私。


「おはよー」とミカコ。


なんだか眠そう。


「さては飲んでたな?」


「バレた? いやー彼が一緒に飲もうって言って聞かなくってさ」



そう、ミカコには彼氏がいる。このやろ。


「で、どうしたの?:


「実はさ、昨日やってみたんだ、ミカコに教えてもらったリモートホスト!」




「へー! やるじゃん!」

こいつ、私に度胸がないと思ってたなっ。


「それでさ・・・・・・」






「恋しちゃったんだ。ホストに・・・・・・」





ギクっ!!!




図星だった。


なぜわかる、ミカコよ!




「そ、そうなの・・・」




「よくあるんだよー。そういうこと。気にしない気にしない」





「気にするよ! 目玉焼き焼いてる時も、食べてる時も考えちゃうの!」




「カナー。それ普通だって。 イケメンと親しくなって、恋に落ちない人いないじゃん」


確かに。



「でもさ、向こうはカナのこと、なんとも思ってないの。ただの客なの」


ツライ現実だ。




「だから、カナのその恋は成就することない。わかる?」



「うん、まあ」



「どうしても、彼が恋しいんだったら、その気持ちを隠して、せめてリモートで、彼と楽しいひと時を過ごす。癒しとしてね。それしかないよ、もしまたガイア行きたいんだったら」



「うん、またガイア行きたい」


「じゃあさ、そのことを肝に命じて、楽しむように。その人と恋愛はムリ。オッケー?」



「うん」



「それに億万長者じゃないんだから、貢ぐのもムリでしょ?」


「うん」


「ね。お金あんまり使いすぎないようにね。前言ったマッチングアプリ早く使って、現実の彼氏を探しな」



「うん。わかった」


うわー。 なんか、すごい落ち込んだ。


電話なんかしなきゃよかった笑



「彼氏がなんか呼んでるから、切るね」


スマホの向こうから、男の声。


「うん」 

ミカコとの通話は終わった。




そして、私の恋は終わった。

現実を突きつけられた。



ホストととの恋愛なんて、ムリだよね。



近くにきたミーくんを抱きとめて、頭をナデナデしてやる。


「ミャー」と嬉しそうに鳴き、ゴロゴロする。




本当にムリかな?

神様、教えて?

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