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02


 あぁ、確かにしたかも。
昔、私が課長の居る部署で働いていた時もこんな話題が出たっけ……。懐かしいな。

「懐かしいなぁ~皆元気してる?」

「してる、してる。
そういえば一緒に働いていた田中先輩が最近、離婚したんだって」

「えぇっ!?」

 女性の話は、コロコロ変わりやすいから助かった。
課長の愚痴が変な方向に行きそうになったから……。
 結局違う話で女子会は、盛り上がったのだった。

 そして女子会が終わると私は、そのまま自宅に帰った。電車は、ギリギリ間に合った……。
 久しぶりの女子会は、楽しかった。私は、鼻唄を歌いながら化粧を落としてお風呂に入った。
 そして肌のお手入れをしながら録画を観ていた。
しかし美希の言葉が気になっていた……。

「あの時、美希ったらどうしてあんな事を言ってきたのかしら?
 課長が私の事が好きなんじゃないかとか」

 そもそも何を根拠に?もし好きだったとして
私が課長を好きにならなかったら意味がないじゃない。
 どう考えても有りえないし。
疑問に思いながらもチラッと次の申し込みプリントを見た。

 そもそも課長の行動がよく分からないのよね?
こんな場所に一緒に行けとか……。
 これだと婚活してもお互いにふりなんじゃないだろうか。

 お互いに違う人と接触がない。
これだと課長とマンツーマンでやっているようなものだ。嫌だ……それは。
 うんざりしながら悩んでいるとテレビに人気俳優の相田君がアップで映った!

「キャアアッー相田君♡」

 あぁ、もう考えるだけでも面倒くさい。
これ以上、考えるのをやめ、やめ。
 そう言いながらプリントを投げ捨てた。
どーせ。考えた所で私の気持ちは、変わらない。
 私は、イケメンが好き。それは、譲れない。
ヤグサみたいな人相の不知火課長は、論外なのよ!

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