03
そして1週間が過ぎ日曜日になった。
私は、嫌々ながら登山をすることに……。
山登りしたって、イケメンに遭遇する確率は、少ない。
周りを見ても普通か微妙な男性ばかりだ。
しかも課長に会わないといけない。最悪だ!
ハァッ……何をしているんだろう?私……。
こんな疲れる思いをして登山するぐらいなら大好きなアイドルのライブに行きたい。
イケメンが出ているドラマや番組を鑑賞してゴロゴロしていたかった。
渋々登っていると先に登っていた課長がこちらを振り返った。
「宮下。トロトロ登ってるな!?
そんな登り方をしていたら夕方になってしまうぞ」
そんな事を言われましても私は、課長みたいに体力がある訳ではありませんから……。
嫌々やっているんだから、さっさと登る訳がないじゃん。
ブツブツと文句を言いながら登っていると
「おい、さっきから何ブツブツ言ってるんだ?」とギロッと睨まれてしまう。
「す、すみません」
もしかして、聞かれちゃった?
小さい声だったのに……相変わらず地獄耳ね。
課長は、ハァッとため息を吐くがペースを落としてくれた。えっ?
私のペースに合わせようとしてくれてるの?
課長は、隣に並ぶと一緒に登り出す。
イライラするなら先に行けばいいのに……。
チラッと見ると真剣な表情になっていた。
やっぱりヤクザっぽいなぁ……。
「何だ?俺の顔に何かついているか?」
課長が見てる事に気づいてしまった。
私は、ヤバイと思い慌てて目線を逸らした。
「べ、別に何でもありません」
私は、慌てて前をペースを上げた。だが、しかし
すぐにスピードが落ちて歩くのもままならない。
つ、辛い……。
「何をしている?周りに遅れるぞ」
「か、課長……少し休憩しませんか?」