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19話〜ユリィナの幼馴染

 ここは転職の神殿の中。この神殿には転職の部屋とは別に、自分の職業を知る事が出来る水晶が置かれている部屋がある。

 ガルド達3人は自分の職業を知る為ここに来ていた。

 そしてガルド達がその部屋に入ると、水晶の前に占い師風の女性が座っていた。

「すみません。自分の職業が知りたいのですが」

 ユリィナがそう言うと、その占い師風の女性は3人をみて、

「これは珍しいですね。最近では、自分の職業や天性の職業など気にせず、そのまま転職の部屋に行かれる方が多いというのに」

「確かに、そういえばここには誰もいねぇみてぇだな」

 そう言いながらガルドは辺りを見渡した。

「そもそも、何で転職したがるんだろうね?私なら転職したいと思わないけどね」

「本当は、それが本来の理だと私も思います。ですが、もともと持って生まれた天職や現在の職業が嫌な人がいるのも事実なのです」

「なるほどな。これは仮の話なんだが、もし、天職が英雄王だったとして、他の職業に転職したらどうなる?」

 そう言われ占い師風の女性は、ガルドが言った事に一瞬驚いた。

「えっ?例えが英雄王って……。はぁ、流石にスケールが大きすぎてしまい、一瞬驚いてしまいましたが。そうですね……恐らくは、その天職は変えることは出来ないと思います。ですが、現在あるべき職業は変える事は可能だとは思いますよ」

「ふ〜ん、そうなんだね。だけど、とりあえず私は見てもらうだけでいいかなぁ」

「そうだな……。俺は見てもらってから決めようかと思っている」

「私も、見てもらってからにしようかな」

「そうですね。では1人ずつ行いたいと思います。最初は誰から見ましょうか?」

 そう言われ3人は話し合い、最初にユリィナ、次にガルド、最後にビスカが見てもらう事にした。

 そしてユリィナは水晶の前に占い師風の女性と向かい合わせで座った。

「そういえば、まだ名前を名乗っていませんでしたね。私はマリアンヌ=フォルテと申します、本来の職業は見ての通り占い師なのですが、ここの前の方が亡くなられ、次の方が見つかるまでの間この部屋の管理等を任されております」

「マリアンヌ=フォンテって……。もしかして泣き虫マリーなの?」

 そう言われマリアンヌは驚きながらユリィナの顔を覗き込んだ。

「その呼び方をするって事は!まさか、ユリィナなのですか?」

「何年ぶりだろうね。まさかこんな所で会うなんて」

「本当ですね。でも、ユリィナが何故ここに?」

 そう言われユリィナはここまでの経緯を一部のみ話した。

 その後ユリィナはマリアンヌに両手を水晶の上に置くように言われた。

 そう言われるとユリィナは水晶の上に両手を乗せた。

 マリアンヌはそれを確認すると水晶に両手をかざし天職と現職を調べ始めた。

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