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21話〜ブラットの真の力

 あれからブラット達はティールの街に来ていた。

 この街はシェイナルズ城に近い為に商業や娯楽などが盛んで色々な人で賑わっていた。

 街の中央には噴水広場があり人々の憩いの場になっていた。

 噴水広場を中心に南側は住宅エリア、北側は商業エリアに分かれている。

 大きな街の為、警備兵が常に巡回し見張っているが、路地裏の管理や整備がずさんで、何が起きてもおかしくない酷い有り様だった。


 そしてブラット達は宿を見つけた後、グレンは職を変える為にフリックと転職の神殿に行き、ブラットとフェリアとサアヤとコトネは冒険者登録をする為に、ギルドに来ていた。

 そしてここは冒険者ギルドの中、ブラット達は受付をしていた。

 そして受付嬢が、

「初めての登録ですね!」

「はい、俺とフェリアは初めてです!」

「それでは、この書類を確認し必要事項を記入した後、サインして下さい!」

 ブラットとフェリアは書類を確認し記入して受付嬢に渡した。

「それでは、能力の確認をしたいと思います。すでに登録されているコトネさんも再登録しますので、よろしくお願いします」

「えー、またそれやるの?」

 仕方なくしぶしぶやる事にした。

「それで、私はどうしたらいいんだ?」

「あっ、サアヤさんは確か、傭兵ギルドに登録されてましたよね?」

「ああ、そうだけど?」

「では、この書類に記入して頂ければ大丈夫ですよ!」

 サアヤは書類を確認した。

【私◯◯は、冒険者ギルドと傭兵ギルドとの情報共有の為、自身の情報を両ギルドで共有される事に承諾致します】

 それを確認した後、サアヤはサインをし受付嬢に渡した。

「はい、サアヤさんはこれで受付完了となります」

 受付嬢はブラットとフェリアとコトネの書類を持ってとなりに移った。

「それでは、ブラットさんから、この真実の水晶に手を乗せて下さい」

「能力を測るって、何かやな予感しかしないんだけど」

「大丈夫ですよ。内に秘められた能力が無ければ、何も無いと思いますので」

 ブラットは恐る恐る水晶に手を乗せた。

 すると水晶が急に光りだし建物が揺れだした。

 そして水晶は黒い光を発し放ったと思ったら粉々に壊れた。

「えぇっと、これっていったい?」

「あらぁ、どうしたのでしょうね?壊れていたとも思えませんし?」

「んー、確かにおかしな事もあるもんだな!とりあえず、この場合どうなる?」

「そうですねぇ。今までこんな事はなかったもので、ギルマスと相談の上後日改めて連絡したいと思います」

「それじゃ、私達は宿に戻っているので、すまないが連絡は宿屋の方によろしく頼む!」

「はい、分かりました」

 受付嬢は何かを書き始め奥に入っていった。


 ブラット達はその場を離れ宿に向かう途中。

「ブラット。さっきの力なんだけどなぁ」

「ん?何か心あたりあるのか?」

「いや、それは分からないが、恐らく元々ブラットが生まれ持って備わっていた力じゃないかと思うんだが」

「私もそう思います。本来ならその力をすでに使いこなしていてもおかしくなかった筈だと思います」

「そうは言ってもなぁ〜」

「でも、その力が解放できたら、ブラットは強くなれるんじゃないのかな?」

「そうかもしれないが、流石に今のブラットに、その力が使いこなせるとは思えないが」

「私もそう思います。今はとりあえず、その力を使いこなせるぐらいになって頂かなければなりません」

「そうだとして、どうするんだ?」

「何がだ?」

「何がって、俺が水晶壊した事で何か起こりそうで怖いんだけど」

「確かに、ただじゃ済まないとは思うが」

「そうだね、普通じゃ有り得ないこと、ブラットはしたんだから」

「そうだよなぁ。ははは……」

「ここで考えていても仕方ありませんので、とりあえず宿に戻って話し合いましょう」

 そして、ブラット達は宿屋に向かったのだった…。

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