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居酒屋 勇者!?

ガネット国王に俺達は認められた、功績で俺達は魔人族討伐ギルドホウキュウジャーとして各地にいる魔人族を討伐する任務を与えられた。

国からの援助金も期待できるが今は街や村の復興費に回しているから俺達は本当に最低限の資金で何とかせにゃならん…それだけ魔人族は好き放題しているらしい。
俺達は城の離れに場所を置いている。

「で、何でお姫さんがここにいるんだよ?」
「アリシアですわ勇者様!」

何でアリシア姫が俺達の基地にいるんだよ、なんか宝石獣達は懐いてるし。

「みんな可愛い!」
「ワニ!」

見所のあるお嬢ちゃんだ!とワニ爺。だが、アリシアは宝石獣達の言葉は伝わらない。
勇者じゃないかららしい。

「ワニ爺さんって言うんですか?」
「ワニ!」

そうじゃ!嫌がってなかったかワニ爺って名前をさ…

「で、何しに来たんだ?」
「あ!そうでした!」

アリシアは鞄から袋を取り出し中を見せた。

「これは?」
「人口宝石です!皆さんの力になればと知り合いの錬金術師に頼んで用意してもらいました!」

人口宝石は俺達が使っている宝石と違い人工的に作られた宝石だ。これからはまだ属性が無く自分の好きなスキルをプラス出来る代物だ。俺達の秘密基地もこいつでプラスして作ったんだよな。

名前はリフォームジュエル。

「今までは皆さまの宝石だけで戦ってましたけど、これからはスキルジュエルも使えばより戦いが楽になりますわ!」
「スキルジュエルか〜確かに特撮には特殊な技が数あるからな〜」
「特撮?」
「涼のホラ話だ気にするな」
「ホラ話じゃねえよ!カイエン!」
「カイエン様…あの頭をくっつけてくれまんか…」

やっぱ首無しじゃ普通に怖いか。

「デュラハンだぞ俺は、無いのが普通だ!」

体は正座して頭は椅子の上でぴょんぴょんしてる…普通に怖いっつの!!

「で、どうやってスキルを付けるんですか?」
「確か、宝救剣にはめて、宝石に触って…光のパネルが出てきて、このカギカッコにキーワードを入れてグリップを引くだったかな…」

俺はとりあえず一個はめて試しに何かを入力してみる。

「ん〜目くらましとかにしてみるか!」
「我輩達は嗅覚も効きますからそれらの麻痺も重要かと!」
「匂いか〜じゃ遊びでこれ!」

俺は「おなら」と打ち込みトリガーを引っ張ってみた。
宝救剣から黄色い煙が吹き出た。

おおー成功した!ってクッサーー!!

「んぐっ!」
「く、臭い!!」
「これはたまらん!?」
「何を打ち込んだ涼!」
「外へ出ましょう!」

俺達は場所の扉を急いで開けた。

「ティラ?」

何だ?プーンとルビティラの鼻に臭い匂いが…

「ウガァァァ!???」

息が〜と体が倒れてもがくルビティラ、手が小さいから鼻を塞げない。

「ゲホ、ゲホ!涼馬鹿なスキルつけるな!」
「ここまで臭いなんて…思わなくて」
「涼様はお馬鹿ですかっ!!」
「「「そうだ!そうだ!」」」

みんなから猛バッシング。

人口宝石は一度スキルを付けるとリセット出来ないらしく俺が作ったオナラジュエルは欠陥品扱いされた。
何だかんだ夕方まで俺達は人口宝石に色々と効果を付属させた。どんな効果かは戦いの中で披露しよう。

「まあ、こんなところだろ!」
「時間かかりましたな」
「全くみんなロクなスキルを付けないんだから…」
「リア、君が言うか!」
「涼さんのダサいスキルよりはマシです!」
「ダサいって俺のセンスの何処がダサい!」

「「「「「ダサい!」」」」」

「ティラ!」ダサい!
「ワニ!」ダサいの!
「ケラ!」ダサい!
「ギャオ!」ダッセーよ!
「テゴ!」ださーい〜!
「パッキー!」ダサいよ!
「きいきい!」良いでござる!
「キロ!」ダサいわよ〜!

お前らまで言うなよ!カブトだけかよ…俺のセンスが判るのは!
カブトはセンスがズレてるだけと宝石獣達はみんな知っていた。

「腹減った…」
「確かに…」

もう晩飯時か〜金があるとは言え無駄遣いは出来ないが何か食べに行くか今日は。

毎回城でご馳走になってばかりはいられないからな。

「皆さま!でしたら珍しいお店で一緒にお食事しませんか?」
「珍しい店?」
「はい!城下町では珍しい食事の店で、そこの亭主は腕のいい錬金術師でもありますわ!」

あの人口宝石はその飯屋が作ったのか!?
飯食うところが何をやってんだか…

「まあ、行ってみるか…」
「珍しい店ですか〜」
「興味あるな」
「食べたいですぞ〜」
「腹減ったし行ってみるか」

俺達は城下町へ出た、夜の城下町は活気にあふれていた。この前の騒ぎが嘘見たいだ。
俺たちはアリシアの案内で町の噴水広場の近くまで来たそこの路地をを曲がった先にあるらしい。

「ここよ!」

え…ここって…居酒屋 金の鳥って…

「居酒屋!?何で異世界に居酒屋があるんだよ!」

しかも日本語だし…この世界の文字は読めないのに…
「居酒屋?」

「飲み屋だよ、酒飲むところだ」
「酒を飲むところだって僕達はまだ未成年だぞ」
「え、そうなのか?」
「ああ、僕はまだ16だ」
「私は18です」
「私は12歳ですわ!」

はいっ!?お前ら未成年だったのか!?
姫はやっぱ子供だった。

「歳下だったのか…」
「涼はいくつだ?」
「25だ」

そう俳優目指すには結構遅い歳だ。

「お前ら二人は?」
「我輩はまだまだ若い10歳ですぞ」
「俺は205だ」

何処が若いんだよ!滅茶苦茶上じゃないか!!ていうか10歳ってガキじゃんか!?

「ルーガルお前ガキだったのかよ!」
「失礼な!我輩はもう成人すぎておりますぞ!」

まさか現実の動物の年齢に換算してるのかよこの世界のリザードマンって…てことは50以上かよ!?現実の蜥蜴に換算したこうなる!なのに若いって肉体年齢はまだガキってか??

「まじで異世界なんだなここ…」
「ほら入るぞ!」

俺達は暖簾をくぐる。

「いらっしゃい!」

いかにも飲み屋の板前さんみたいな見た目の人がいた。

「カウンターへどうぞ!」

板前さんが案内してくれた。
うわモロに日本の居酒屋だわ…何でこんな所にあるんだ?

「こんばんは!信道!」
「これは姫様!いつものかい?」
「ええ、みんなにもお願い!」
「あいよ!成人はラガーを未成年はジュースでいいかな?」
「ら、ラガー?」
「よくわからんが酒を頼む」
「ビール飲めるのか!」

ラガーってビールだよな確か…まさかビールがこの世界にあるなんてな。

「にいちゃんビールを知ってるのかい?」
「ああ、俺の居た世界じゃ当たり前の酒だ」
「日本か…」
「え、何で日本を知って…」
「さ、前菜が上がったよ!」

はぐらかされた…あ!枝豆だ!

「頂きます!」

プチュっとした食感に塩辛さ確かにこりゃ枝豆だ。

「これは美味いですな!」
「ああ、止まんねえ!」

カイエンとルーガルも摘んでいる。
カイエン頭着けろよ…首に入れて食べんなよ気分台無しだ!

「ははは、面白い人達ですね姫様!」
「ええ!」
「ほい!ラガーとジュースお待ち!」

ジョッキに入ったビールと木のコップに入った果物のジュースが来た。
ホントにビールだよ…金色のシュワシュワかつメッチャ冷たい。

「遅くなりましたが、勇者様方の汚名返上並びに討伐ギルドホウキュウジャーの設立を祝して乾杯!」

「「「「「乾杯」」」」」

アリシア姫の乾杯の音頭に合わせて俺達は盃を交わす。

「美味い!ラガーと言う酒は!」
「カァー!たまんないな!」

だから普通に飲めよ!頭から注ぐな!

「さ、串カツが上がったよ!」

亭主の信道さんが熱々の串カツを出してくれた。て、串カツってどうやって再現してんだ?つか使ったんだ??

「おいしい!」
「こんなの食べた事ないな!」
「信道は異国の食べ物を提供しつつ、優秀な錬金術師でもあるの!」

このグラスとか言うガラスのコップも信道が作ったのよ!

「懐かしい日本食だ…」

俺は故郷を思い出す、母さんともめて飛び出して一人暮らししながら俳優を目指していた日々が、母さんの手料理…もう一度食べたいな…

「大丈夫かい?にいちゃん?」
「え…」

気づいたら涙を流していた。

「故郷と同じ味で感激して…」
「そうかい、さあ冷奴もあるぜ!お醤油もな!」

マジか!懐かしの醤油まで!アンタ一体何者だよ!
俺達はその夜懐かしい日本食とお酒を楽しみながら楽しい夜を久しぶりに過ごした。
次の朝、俺達はいつのまにか馬車に戻って寝ていた、起きるとみんな寝ている、アリシア姫までいるよ。

ドカンッ!!

ってなんだよ朝から!

町では食材が無残に食い散らかされていた。

「出てこいや勇者共!さもないと人間も食っちまうぞ!」

溝鼠みたいな怪人が敵兵を連れてガネットで好き放題食べ物を粗末に扱っている。

「おい!魔人族!」
「来たか勇者共!」
「うわ何か汚い怪人だな」
「五月蝿い!」

溝鼠怪人じゃ汚いだけだわ…

「何で食べ物を粗末にしやがる!」
「けっ!たかが食いもんに何を熱くなってやがる!腹が減りゃ人を食えばいい!」
「お前…食べる事がどんなに大変でどんだけ有り難い事かわからないのか!」
「知りたくたもないな!俺はただ命令で食っただけだ。有り付けない奴が悪いんだよ!」
世間でいう悪食って奴か。この鼠野郎!
「あったまきた!行くぞ!」

「「「「おう!」」」」

皆、宝救剣を構えてチェンジストーンをはめ込む。

レッド!ザ!武装!
ブルー!ザ!武装!
ピンク!ザ!武装!
グリーン!ザ!武装!
ブラック!ザ!武装!

「「「「「武装!」」」」」

宝救剣から光が飛び出し体に纏い鎧を構成し各パートナーを模したヘルメットを被り変身完了した。

「宝石戦隊!」

「「「「「ホウキュウジャー!」」」」」

名乗りと同時に各色の花火が上がる。

「カッコつけてんじゃねーよ!」

溝鼠怪人は爪を伸ばしてこっちに来る。

「速攻でたおしてやる!」

俺達は宝救剣を構えて迎え打つ。

「おら!」

がぶっちゅ!
げ、噛み付いた!
溝鼠怪人は宝救剣に噛み付いて離れない。
なんつ力だくそ!

「涼!」

溝鼠怪人は剣を加えたままフラ回して離しコハクに投げつけた。

「うわー!」
「え!?いた!」

俺とコハクばぶつかる。

「涼、コハク!このやろ!」

カイエンがステゴアーチェリーを放とうとした時。

「スキやり!」
「ぐわっ!」

カイエンは後ろから爪で切り裂かれた。

「な、何だ?」

溝鼠怪人がまだいた!?

「二匹いたのか!?」
「一体どこから!」
「下水からだよ!」
「「え!?」」

ルーガルとリアの下からまた溝鼠怪人が出てきた。

「くらいな!」
「「うわ!」」

二人も爪で引き裂かれて吹っ飛んだ。
あれ?何か痺れてきた…

「俺様達の体には麻痺の毒が回ってるんだ!迂闊に近づくと痺れるぜ。」

うわー卑怯だ!

「くそ!痺れて動けない」
「無念ですぞ…」
「痺れる…」
「みんな!」

俺とコハクはみんなに近づく。
ヤバイな鼠と思って甘く見たせいか。

「なははは!そろそろトドメをさすかブラザー!」
「そうだな!」
「やっちまえ!」

溝鼠怪人達は口から汚い色の光線を吐こうする。うわうわ!気持ち悪い!!

「それ!」
「ん?」

ドカン!

「ぎょえー!」

溝鼠怪人の頭に何か刺さり爆発した。

「ブラザー!」
「大丈夫かい?」
「誰だ一体!?」
「わるいわるい当たっちまった!」
「あ、アンタ!」

昨夜行った飲み屋の亭主!何でいるんだよ!

「何だ貴様は!」

「俺か?俺は居酒屋だ!」

「はっ?居酒屋??」

おいおいホントに何しにきたんだよ!

「飲み屋のおっさん何でいるんだよ!」
「食い物屋だぞ仕入れに決まってんだろ!」

仕入れってこんな時かよ…

「で、食い物をあさってる溝鼠を見つけたから駆除しにな!」
「は?飲み屋が魔人族に喧嘩を売るとは、愚かな奴め!」
「居酒屋をなめるなよ溝鼠!」

信道は懐から何かを取り出した。

「宝救丁!チェンジエッグ!」

信道は宝救剣に似た包丁と卵形の入れ物を取り出しそこに丸い金塊を入れた。
信道は宝救丁で金塊を入れた卵を持ち手で叩いた。

へい!とりあえずゴールド!一丁!

居酒屋みたいな音楽が流れ始めた、信道は宝救丁の刃と卵型のカプセルの裏の切れ目に押し当てスライドした。

「乾杯(プロージット)!はっ!」

信道の掛け声で卵が割れ、そこからまるでビールの様な光が飛び出して信道に纏い金色の鎧と鳥を模したヘルメットをかぶると変身完了!

「ええぇぇぇ!?」

俺は声を上げた。これは戦隊でもはやお約束の追加戦士じゃん!?

「な、何だ貴様は!?」

「俺か?俺は居酒屋金の鳥三代目亭主にして先代勇者孫であり、そして六人目のホウキュウジャー!」

「ろ、6人目!?」

「一金提供!ホウキュウゴールド!見参!」

信道が名乗り終えると金色の花火が上がる。

しおり